「宇宙哲学」 第14章

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落162

162 It is not the exertion of the personal will but the releasement of the personal to the impersonal will which brings increased energy and wisdom into our lives. We need only to remove the barrier of "self"-ishness and a tide of understanding will flow in and through our being until we become immersed in its activity
162 エネルギーの増加と知恵を私達の生活にもたらすのは、個人的意志の行使などではなく、個人的意志の非個人的意志への解放によって行われます。私達は只、自己中心的障壁を取り除くだけでよく、そうすれば理解の潮流が流れ込むようになり、遂には私達を通じてその活動の中に没入することになります。




【解説】
 何につけても、育て訓練するのは自分自身です。こればかりは他人に頼めるというものではありません。古くから修身という言葉があるように、自らを如何に本来の人間としてあるべき姿に戻すか、そして創造主の僕(しもべ)として暮らすかが重要です。
 先日、機会があり、函館のトラピスト修道院を訪問しましたが、山の上に建つ修道院で暮らす修道士の人達は毎日、自分と向き合い、日常の仕事を行いながら、ひたすら創造主の声を自分の中に取り入れる訓練をされているように感じました。また、その高貴な生き方が周囲の田園をより美しく保っているように思えたものです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落161

161 The idea that one must become strenuous in outward action or must display an appearance of great personal effort in order to accomplish outstanding things is a false belief. The person who reaches the greatest heights of accomplishment is he who holds all of his actions in a serene and peaceful state, recognizing the fact that he is not the instigator or projector of intelligence but only the form through which it flows into manifestation; and the more fully the recipient is cleared for action the greater the action will be.
161 人は顕著な物事を達成する為には、外に向かっての行動に奮闘し、或いは大いなる個人的な努力をしている姿を示さなければならないとする考えは誤った信念です。最高位の達成に行き着いた人は、自らの行動を澄んで平安な状態に維持し、自らを英知の扇動者や計画者としてではなく、自分が創造物に流れ込む形あるものでしかないという事実認識をしている者です。そして受容者が行動の為、より完全に空になればなる程、より大いなる行動が起こることになります。




【解説】
 これまで聞かされて来た私達に求められる「努力」について、本項はその根本が誤っていることを指摘しています。自我の願望を実現しようとすることでなく、宇宙的知性を自らが表現者となって体現することを私達は目指すべきなのです。
 その為には、その業績の成果は個に帰すべきものではなく、宇宙本源にこそ属するものと言えるのです。その点、古来の芸術家や職人は作品に名を遺すことはありませんでした。成果として出来上がった作品を愛でることはあっても、自分の作品とは見ていなかったということでしょう。全ては宇宙から湧き起こるインスピレーションを見える形にしただけとの認識があったからです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落160

160 Man is capable of expressing the fullness of life but he must become non-resistant to cosmic energy if he would have it express through him. He has lost the true course of action by exalting the personal ego; he has created the habit of believing that all accomplishment is brought about through the exertion of personal effort. He fatigues himself unnecessarily by trying to force conditions which will come about perfectly in a natural way if allowed to do so. Much energy is wasted because of personal dominance. It is difficult for the mortal to understand that impersonal non-resistance allows a free flow of energy, that in peace there is more intense activity than in friction. Man has become so aware of the coarser frequencies that he cannot realize action in its finer, more quiet and peaceful state. One who does live the non-resistant, receptive attitude has found the highway of true happiness, for he knows no fatigue, no pain, no disappointment.
160 人は生命の完全さを表現できる能力を有していますが、それを自分を通じて表現するには、宇宙エネルギーに対して無抵抗にならねばなりません。人は各自のエゴを高ぶらせた結果、真に歩むべき行動の道を見失ってしまいました。人は全ての達成物は各自の努力の行使を通じてもたらされると信じる習慣を作り出してしまいました。人はもしそうすることが許されれば自然と完璧に訪れるような状況に対して、無理強いすることで、不必要に自身を疲労させています。より多くのエネルギーが個人の優位のために浪費されています。死すべき者にとって、非個人的な無抵抗がエネルギーの自由な流れを与え、平穏の中には摩擦状態よりはるかに強烈な行動があることを理解するのが難しくなっています。人はより粗雑な振動に対してあまりにも敏感になってしまったため、より精緻でより静かな平穏な状況における行動を知覚することが出来ないのです。こうした中、無抵抗で受容的な態度で断固生きる者は真の幸福の王道を見つけています。何故なら、その者は疲れや痛み、失望を知ることはないからです。




【解説】
 繰り返し述べられているように、私達に必要な事柄は自らを通じて宇宙の知性の表現者になること、宇宙的波動に自らを共鳴させて、自らを通して与えられたものを精一杯表現することです。そこには、自分の力は何一つ要せず、唯一湧き出るエネルギーをそのまま疑問視したりせず、伸び伸び表現することです。
 これは丁度、幼児が何事にも楽しく遊ぶ様子に似ています。彼らは恐れや失敗を気にせず、今を楽しんでいます。こうしたことが私達人間の本来のあるべき姿と言えるのです。そこには沸き起こる宇宙的衝動に対して、何ら自我の判断を差し挟むことなく、自らは表現者になり切っているということでしょう。
 このような体験を積み重ねることが、私達の肉体を活性化し、若々しく保つことにもなるのです。晩秋の頃、落ち葉が舞い落ちる日常の中にも、落ち葉が積もることで昆虫達の冬越しの場を提供する等、自然界における各構成員がそれぞれの役割を果たしている様子を学べる機会は多くあるものです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落159

159 The people on Venus live this law and thereby do not have to endure the unpleasant conditions that we must contend with on earth.
159 金星の人々はこの法則に生きており、それ故、地球で私達が向き合わなければならないような、不愉快な状態を耐え忍ばなければならないということはありません。




【解説】
 これらリラックスした心境を保つことが私達が今後、進化する上のポイントになります。既に伝えられているように、他惑星人には感情が高ぶったり、怒ったり、また極端に悲しんだりすることはありません。こうした過度の感情は身体への悪影響が大きいこと、またそれに対応して発する類似した想念は他の者や周囲の環境に影響を及ぼすことを熟知しているからです。
 常時、心を穏やかにまた、オープンで寛容的に保つこと、基本を宇宙的な波動に置くことこそが全てを託された私達人間の最大の務めなのかも知れません。イエスはご自身が磔になっている最中でも、肉体の痛みを克服され、穏やかな言葉を語っておられたことは、こうした深い理解に基づいているということでしょう。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落158

158 When relaxed one is flexible and receptive to unlimited conscious energy which is free to all who draw upon it. Life and energy are limitless but we can have only as much as we are willing to accept.
158 リラックスしていると人は柔軟になり、それを求める全ての者に自由に与えられる無限の意識的エネルギーを受け入れられるのです。生命とエネルギーは無限ですが、私達は受け入れようとするだけしか得られないのです。


【解説】
 私達の前には無尽蔵の英知があり、それを受け入れる者に無償、無制限に与えて呉れます。もちろん、本人が受け入れたいと思う分野や量に応じて贈られるという訳です。
 これについては、最近のインタネットサイトでは有料の会員登録をした者であるとか、使用料を支払った者のみに情報が与えられるのが普通ですが、この宇宙英知には、そのような制限は一切ありません。まさに「求めよ、さらば与えられん」の通りです。
 一方、こうした知識にあずかれない人々も数多いものです。それらの人々は自分の殻の中に閉じ籠って外界からの支援を受け入れようとはしないのです。そうした状況を解決するには、先ずその者の心を柔軟なものとし、外界と融和出来るリラックスした状況に置く必要があります。その為にこそ、楽しい事柄も必要な訳です。おそらく精神医学が処方する薬剤もそうした作用を目論んでいるものかと思われます。
 しかし、こうした手段より、自らの自覚によって本来の宇宙の姿、調和した美しさに気付き、私達が実は美しい世界に暮らしていることに気付くことが大切かと思っております。リラックスした心境は宇宙からのアイデアを受信する上からも大切な要素なのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落157

157 In the beginning, man dwelt in the state of contentment and relaxation for he knew no "thine and mine" - he was guided totally by the Father and his every conscious thought was executed freely and perfectly in its pure state of perception. It was only when man set up resistance to free-action that he became tense; the results of which are pain, disease and death.
157 原初において、人は満足とリラクセイションの中で暮らしていました。何故なら、「貴方のものと私のもの」という概念を知らなかったからです。人は父によって全てを導かれ、人が意識するあらゆる想念は、その純粋な感受の下、自由かつ完全に実行されていました。人が緊張状態になったのは、唯一人が自由な行動に対して抵抗を打ち立てた時なのでした。そしてその結末は苦痛、病そして死なのです。



【解説】
 創世記のエデンの園の記載にあるように、そもそも私達人間が原初において創造された時、私達は何一つ不足ない楽園に暮らしていました。自分と他人との区別なく、皆一体とした生命観の下、文字通り天国の国で暮らしていたのです。
 しかし、その後は今日に至るまで私達は緊張と争いの中に生きるようになってしまいました。知識や知能という分野では進歩したかも知れませんが、今日の世界を見て分かるように、私達はおよそリラクセイションとはかけ離れた生活を送っていることに間違いはありません。
 その原因が何処にあるのか、何故私達は原初の穏やかな生活を失ってしまったのか、一人一人がよく考える必要があります。所有欲の行く末がどのような状況をもたらすのかを考えることを著者は本項で求めているのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落156

156 The average individual does not realize how completely he is bound and limited by his own opinions. Tenseness is wholly a condition caused by the personal ego; possessiveness, greed, fear, covetousness and self desires all produce a set and unyielding condition within the body. The person who is of a very positive nature finds relaxation a most difficult accomplishment, for relaxation consists of releasement and non-resistance. It is a natural state of being which should be maintained at all times but cannot be held by one who is absorbed in self interest only.
156 平均的な人間は自分が如何に自分自身の意見によって完全に縛られ、制限を受けているかが分かっていません。緊張状態は個人的なエゴによってもたらされた全くの状態なのです。所有欲、欲張り、恐怖、どん欲そして自己願望、これら全てが一派を作って頑固な状態を肉体内部に作り出します。とても独断的な性格の人はリラクセイションを最も達成が困難なものだと思っています。何故なら、リラクセイションは解放と無抵抗から成り立っているからです。それは常時保持されるべき自然な状態なのですが、自己の関心のみに没入している人には掴むことは出来ません。



【解説】
 以前、Wayne Dyer(ウエイン・ダイヤー氏)の講演録ビデオの中で氏が盛んにSurrender(降伏して明け渡せ)と説いていたことを思い出します。その意味は、早く自分自身の自我(エゴ)の限界と問題を自覚して、宇宙にあまねく存在する宇宙的生命波動の流れの下に立ち返れとしていたものと解釈しています。同様なことは、イエスの説いた放蕩息子が父の下に戻るたとえと同じ意味でもあるのです。
 とかく私達は一方では極めて積極的(ポジティブ)であり、独善的で他の者の意見や周囲を顧みず、我を押し通そうとしますし、もう一方では全てに自信を無くして何も出来なくなる悲観的、消極的(ネガティブ)のいずれかになりがちです。しかし、そのどちらも実は自我がその本人を支配しているのであり、それを抜け出るには、こだわりや面子を捨てなければならないのです。Surrenderとはそのように問題要素を捨て去ることの必要性を述べているものと思われます

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落155

155 Relaxation reduces the friction within the body by eliminating the resistance of one cell-form to another. For instance, if a large number of fish were placed in a very small bowl there would be constant friction due to the inevitable contact between them, and the action of each would be retarded because of the congested condition existing within the bowl; but if these same fish were released into a large  pool they would swim about easily without interference with one another. They would be in a position to use the potential energy which they possess. The cells in the body act in the same manner and it is the mortal sense mind which must release them for free execution of their purpose.
155 リラクセイションは、細胞と細胞との抵抗を取り除くことによって、肉体内の摩擦を低減します。例えば沢山の魚がとても小さな鉢に置かれたら、それらの間には避けがたい接触に起因する恒常的な摩擦が生じるでしょうし、各々の行動はその鉢の中の混み合った状況のため、遅らされることでしょう。しかし、これら同じ魚が大きな池に放たれるなら、魚達は互いに干渉されることなく、たやすく泳ぎ回ることでしょう。彼らは自分達が持つ秘めたエネルギーを用いる立場になることでしょう。肉体の中の細胞も同様な行動を取りますし、細胞もそれらの目標に向けて解放しなければならないのは、死すべき感覚心なのです。



【解説】
 私達が相手にしなければならないのは、自分自身です。それは自身をこれまで束縛して来た心を鎮め、代わって私達の内部に湧き出る宇宙的印象を積極的に受け入れるようにすることです。これまでの私達は自我のこだわりや心配の為、自らの身体を酷使して来ました。その結果、肉体細胞は疲弊し、ストレスの中で辛うじて生きているのです。
 しかし、真のリラックスの重要性に目覚めた人は物事は心が自由、柔軟になった時に成就することを学ぶことが出来ますし、そのような心境こそ大切であることを知ることになるのです。「融和」という表現がありますが、周囲との摩擦やあつれきを防ぎ、和やかに互いが進歩する環境づくりの重要性はそこにある訳です。自分自身には厳しくとも、他人には寛容であるべき所以は、こうした環境づくりにあるように思います。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落154

154 A person may quiet the body through a form of self-hypnosis, but this is not relaxation, for it destroys the free action of the body elements. The body is composed of tiny cells in each of which there is a spark of potential energy capable of unlimited radiation. This spark or nucleus within each cell is the animating energy of the body, but because the particles surrounding this central force are generally held in the tense state they act as barriers or resisters to the energy within. When this tense condition is released the outer substance composing each cell becomes receptive to the energy at its center and is set into a higher frequency through the action of the interpenetrating force.
154 ある人は自分の肉体を自己催眠の形を通じて鎮めるかも知れませんが、それはリラクセイションではありません。何故なら、それは肉体の構成要素の自由な活動を破壊しているからです。肉体は小さな細胞から構成されており、それら一つ一つの中に無限の放射能力が秘められたエネルギーの生気があるのです。この生気、もしくは細胞核は各々の細胞の中にあって、肉体の活動的エネルギーとなっています。しかし、この中央の力を取り囲んでいる粒子群が極度の緊張状態にあって、内側のエネルギーに対する障壁や抵抗になっています。この緊張状態が解放されると、各細胞を構成するその外側の物質は中央部にあるエネルギーを受け入れることが出来るようになり、その貫通する力の活動を通じて、より高次な振動数にセットされるのです。



【解説】
 暗示や自己催眠によって、細胞を不活発にすることが如何に有害であるか、本項はよく解説しています。私達には本来、様々な活動的な想念・印象波動が贈られて来る訳ですが、自らの周囲に殻を作り上げ、その内側に籠って不活発な状態に居ることは、やがてあらゆる物事を静止させ、肉体の生命活動さら停止させることにもなるのです。
 私達はもちろん、過度な活動も有害なのですが、これら宇宙に源を発する活動的な波動に心身を調和させることで、常に若々しい精神状態を保つことが出来るというものです。それこそ、生命の息吹を与えた創造主の意図でもあるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落153

153 Relaxation is not inertia! A person may be very quiet and still not be relaxed. It is possible to be in a state of lethargy which may be interpreted as relaxation but such a condition is no more than the effect produced by loss of equilibrium which lowers the frequency of the body cells and puts them in a state of partial coma. Such a condition is to be avoided for it is actually destructive. Relaxation does not include the creation of a mental vacuum or the cessation of action. It is the means by which the mortal consciousness releases itself to the greater action of the Cosmos and therefore should not and cannot produce a dormant condition in any part of the body. If a person is not aware of a finer and more intense activity taking place within his being he can assure himself that he is not relaxed but has merely dropped into a state of indifference.
153 リラクセイションは惰性状態のことではありません。人はとても静かであってもリラックスしているとは限りません。リラクセイションと解釈されるかも知れない無気力状態もあり得ますが、このような状態は肉体細胞の振動数を下げ、それらを昏睡状態にさせるような均衡を失ったことによってもたらされた影響でしかありません。このような状態は避けなければなりません。何故なら、それらは実際には有害であるからです。リラクセイションは精神的真空状態や行動の中断を作り出すようなことは含み得ません。それは死すべき意識が自分自身を宇宙のより大きな行動に解放する手段であり、それ故、身体のどの部分にも休眠状態を作り出すことはありません。もし、ある人が自分自身の中により精緻で、より激しい活動が生じていることを感知しないのであれば、その者はリラックスしているのではなく、単に無関心の状態に落ち込んでいるに過ぎません。




【解説】
 真のリラクセイションについて著者は本項で、その内容を説明し、同時に私達がこれまでリラックスするという意図で行って来た体内の生命活動・精神活動の停滞状態は有害であることを説いています。
 これまでも述べられて来たように、私達にとって本当の意味のリラックスとは生命本来の生き生きした活動の中に、それら生命波動と共鳴し、不調和無く生きることであり、私達自身を通じてそれらを現実世界に表現することです。従って、そこには停滞の要素はなく、無関心も有り得ないのです。
 実は、この状況を実現する為には私達自身の側で様々な工夫も必要とすることでしょう。自我に生じがちな未経験な物事への不安や失敗への恐怖等、乗り越える課題は数多いものです。しかし、練習や努力の積み重ねがやがてこれらを克服し、本来の自分の舞台、表現の場で活躍できるものと考えます。真のリラクセイションの習得は、その人のその後の人生を飛躍させる大きな力を与えて呉れるものであるからです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落152

152 Relaxation should be used as a process of reestablishing harmonious, non-resistant action; the true way of expressing those words of the Christ, "Not my will but Thy Will be done."
152 リラクセイションは調和ある無抵抗の行動を再構築する過程として用いられるべきです。その道はキリストの言葉、「わたしの望むことではなく、あなたの望まれることが為されるように」が表す、真の道です。



【解説】
 本文のイエスの言葉は、イエスが自分が捕らえられる前にゲッセマネで祈っていた際の言葉とされています。(マルコ14:32-42)。
 捕らえられた後に起こることを知っていたイエスが決心して、自ら捕らわれて行った際、自らの命が断たれることに対し、「父」なる創造主の意思に自らを託し、その役割を受け入れた時の言葉なのです。
 それ程、大事な言葉なのですが、本項ではそれこそがリラクセイションの意義であると説いていることに注目すべきでしょう。真のリラクセイションとは、生死を掛け、創造主を信頼した一大決心を要することを遠く示唆しているように私には思えるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落151

151 I believe that there is a misconception regarding relaxation. It is often thought of as a state of inertia, and people will be heard to remark, "Oh, I haven't time to relax; my work keeps me busy every minute." If relaxation were truly understood such ones would realize that there is ofttimes much greater relaxation in work than in so-called periods of rest. The law of nature demands purposeful action and if a person is intensely interested in his work he is making of himself an open channel for the free expression of energy which is always waiting to be used. In other words, a person who has lost himself in some particular piece of work forgets to set up the usual mortal resistance to free-flowing energy and so opens himself automatically to its benefits.
151 私はリラクセイションに関しては誤解があると思っています。しばしばリラクセイションは慣性状態のように考えられており、人々は「ああ、私にはリラックスする時間が無い。仕事が休む暇なく忙しくさせている」と言うのを聞くことがあるでしょう。もしリラクセイションが本当に理解されるなら、このような人はいわゆる休んでいる間よりは、しばしば働いている時の方がはるかにリラクセイションにあることに気付くでしょう。自然の法則は目的のある行動を要求しており、もし人が自分の仕事に対して情熱的な関心を抱く場合は、その者は常に使用されるのを待っているエネルギーの自由な表現の為の経路に自分自身を成しているのです。言い換えればある特定の仕事の断片の中に自分を没入させた人物は自由に流入するエネルギーに対する通常の死すべき抵抗を打ち立てることを忘れてしまい、自分自身を自動的にその恩恵に対し開くのです。




【解説】
 よく引き合いに出されるのは、パイプのたとえです。私達は自ら何かを生み出すというよりは、宇宙の因から与えられる想念・印象パワーを自らを通して表現する、即ち自分をその経路とするという訳です。
 この場合、重要なのは私達は源のパワーの流れに対して抵抗となるようなあらゆる要素を無くして、可能な限り源泉オリジナルのものを表現し、現実世界に見せることです。
 丁度、芸術家が寝食を忘れて作品に取り組む中、疲労感は無く、作業を進めて行くような状況です。本項で説く本当のリラクセイションとはこのような状況を言うのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落150

14 RELAXATION
150 One of the most ascribed methods of attaining physical and mental well-being is the development of the ability to relax. Psychology, medical science, athletes, etc., all acknowledge the beneficial results obtained when the body is not tense, but the average individual finds it difficult to relax at will.
第14章 リラクセイション
150 身体的及び精神的健康を達成する上で最も要因となる方法の一つは、リラックスする能力を発達させることです。心理学、医学、スポーツ選手その他全てが、肉体が緊張状態に無いときに有益な結果が得られることを認めていますが、平均的な個人は、思いのままリラックスすることを難しいことだと思っています。




【解説】
 刀を交えて相対する際、相手の剣の先が緊張してこわばる様子がなく、自在、柔軟に動く様子があれば、相手は相当の達人であり、急いで逃げよとする話を以前、本で読んだことがあります。如何なる状況にあっても自らの心をリラックスさせられる者は道を究めた者と言うことも出来るのです。
 一方、私達は少しでも厳しい状況に出会うと、緊張し、全身が硬直して柔軟さを失いがちです。しかし、そのような状態では細胞は硬直し新しい想念を受け入れることが出来ず、問題の解決も出来ないことになります。
 如何なる時も、穏やかな心境を保ち、やって来る瞬発的な印象のヒラメキを受け入れられるよう、心の中を無、即ち空っぽにして置くようなリラックスの方法について、各自研究することが求められるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落162

162 It is not the exertion of the personal will but the releasement of the personal to the impersonal will which brings increased energy and wisdom into our lives. We need only to remove the barrier of "self"-ishness and a tide of understanding will flow in and through our being until we become immersed in its activity
162 エネルギーの増加と知恵を私達の生活にもたらすのは、個人的意志の行使などではなく、個人的意志の非個人的意志への解放によって行われます。私達は只、自己中心的障壁を取り除くだけでよく、そうすれば理解の潮流が流れ込むようになり、遂には私達を通じてその活動の中に没入することになります。




【解説】
 他人から命じられたり、自分の意志を失って自我が消滅した上での自我の放出ではなく、自分の意志として、自ら進んで自我を大海の中に融和浸透させることが重要だということでしょう。リラクセイションという心境はその為に無くてはならない条件という訳です。
 今まで私達は自分の力で努力し頑張れば物事は達成出来ると励まされて来た訳ですが、本章を学んで見るとどうもそれは真実ではないようです。もちろん習慣に流され怠惰な生活を勧めるものではなく、日々努力すべきは自身の心の頑迷さを削り取り、より多くの印象を感受出来るような態勢に自分自身をもって行くことです。
 因からの印象の流入が盛んになれば、日々の進歩は間違いありません。”他力本願”の真意もそこにあるものと思われます。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落160

160 Man is capable of expressing the fullness of life but he must become non-resistant to cosmic energy if he would have it express through him. He has lost the true course of action by exalting the personal ego; he has created the habit of believing that all accomplishment is brought about through the exertion of personal effort. He fatigues himself unnecessarily by trying to force conditions which will come about perfectly in a natural way if allowed to do so. Much energy is wasted because of personal dominance. It is difficult for the mortal to understand that impersonal non-resistance allows a free flow of energy, that in peace there is more intense activity than in friction. Man has become so aware of the coarser frequencies that he cannot realize action in its finer, more quiet and peaceful state. One who does live the non-resistant, receptive attitude has found the highway of true happiness, for he knows no fatigue, no pain, no disappointment.
160 人は生命の完全さを表現できる能力を有していますが、それを自分を通じて表現するには、宇宙エネルギーに対して無抵抗にならねばなりません。人は各自のエゴを高ぶらせた結果、真に歩むべき行動の道を見失ってしまいました。人は全ての達成物は各自の努力の行使を通じてもたらされると信じる習慣を作り出してしまいました。人はもしそうすることが許されれば自然と完璧に訪れるような状況に対して、無理強いすることで、不必要に自身を疲労させています。より多くのエネルギーが個人の優位のために浪費されています。死すべき者にとって、非個人的な無抵抗がエネルギーの自由な流れを与え、平穏の中には摩擦状態よりはるかに強烈な行動があることを理解するのが難しくなっています。人はより粗雑な振動に対してあまりにも敏感になってしまったため、より精緻でより静かな平穏な状況における行動を知覚することが出来ないのです。こうした中、無抵抗で受容的な態度で断固生きる者は真の幸福の王道を見つけています。何故なら、その者は疲れや痛み、失望を知ることはないからです。




【解説】
 同じ肉体構造を持つ他惑星人が何故私達地球人より豊かに、また驚異的に高いレベルの生活を営んでいるか、本項ではその理由を指摘しています。
 即ち、肉体である以上、様々な限界もある訳で、その点は私達地球人とも同じ訳です。唯一の違いは彼らはある意味疲れることなく、活動を行うことが出来ることです。私達はガムシャラに働き、苦労を重ねる訳ですが、その結果多くの場合には、うまく事が進まずに挫折したり、心身共に疲れ切ってしまうものです。
 しかし、彼ら他惑星人はもっと自由、伸び伸びとした心境で、心配や無用の努力をすることなく、因からの印象による指示に従って適切な時、適切な状況の下、ベストタイミングで事を成すことで、最小限のエネルギーで物事を達成してしまうということでしょう。
 それを可能とする為には、決して自我の視点からでなく、全ては因の指示、即ち宇宙を貫く創造主の意思を印象を介して察知し、それらに従うことが必要です。テレパシー能力により先を見越すこと、繊細は印象世界に気付いていることがある訳です。
 既にお分かりの通り、一度これらの存在を悟ったからと言って、その瞬時の体験で留まっていてはならないのです。その後、その心境を自らの実生活に活かし、周囲の者にも感化影響を及ぼすことが望まれています。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落159

159 The people on Venus live this law and thereby do not have to endure the unpleasant conditions that we must contend with on earth
159 金星の人々はこの法則に生きており、それ故、地球で私達が向き合わなければならないような、不愉快な状態を耐え忍ばなければならないということはありません。



【解説】
 いわゆるアダムスキー哲学というものが単に真理の教え、ある種の思想・哲学の一つとして打ち出されていたとすれば、もっと大衆に受け入れられ易く、その信徒も多くなったのかも知れません。
 しかし大切なことは、その教えの内容は単にある優れた人物が見出したセオリーというものではなく、現実に他惑星社会で生かされ、実践されているということでしょう。特にアダムスキー氏自身の体験として金星や土星の人々と交流して得た知識が基礎となっている点は見逃せません。
 現時点においても、金星や土星に生命があることすら地球上ではタブー視され、隠ぺいされていますが、いつかはその現実に向き合う時も来ることでしょう。同じ人間が何故かくも異なるのか、アダムスキー氏の著作を見て、他惑星社会と地球との差異を嘆く者も多い訳ですが、その差異の最大の要因が本項にあるように、他惑星ではこれら生命の科学とも言うべき諸法則を身をもって行動している点にあるということです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落158

158 When relaxed one is flexible and receptive to unlimited conscious energy which is free to all who draw upon it. Life and energy are limitless but we can have only as much as we are willing to accept.
158 リラックスしていると人は柔軟になり、それを求める全ての者に自由に与えられる無限の意識的エネルギーを受け入れられるのです。生命とエネルギーは無限ですが、私達は受け入れようとするだけしか得られないのです。



【解説】
 リラックスしない限りは、宇宙からの新鮮・有益な印象を感受することは出来ません。スポーツマンの多くは競技の始まりに当たり、如何に不要な緊張状態を解消するかに取り組むものと思われます。
 同様なことは、日常の私達にもある訳で、一つの事柄に執着している間は、自由にアイデアが湧き起ることはありません。芸術家がその作品制作に取り掛かる際、先ずはその下準備として気持ちを鎮め、創造主と近づけるよう心境を整えることから始めるのと同様でしょう。
 ひとたび私達が自身の心境を適切なものにコントロールし、あらゆる事態に対応できる状況に心身を整えれば、あとはやって来るアイデアを待つだけになります。
 そのいずれにせよ、心身の状況が受容的になれば、自ずと想念・印象の自由な出入りがあることになります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落157

157 In the beginning, man dwelt in the state of contentment and relaxation for he knew no "thine and mine" - he was guided totally by the Father and his every conscious thought was executed freely and perfectly in its pure state of perception. It was only when man set up resistance to free-action that he became tense; the results of which are pain, disease and death
157 原初において、人は満足とリラクセイションの中で暮らしていました。何故なら、「貴方のものと私のもの」という概念を知らなかったからです。人は父によって全てを導かれ、人が意識するあらゆる想念は、その純粋な感受の下、自由かつ完全に実行されていました。人が緊張状態になったのは、唯一人が自由な行動に対して抵抗を打ち立てた時なのでした。そしてその結末は苦痛、病そして死なのです。



【解説】
 幸福とはどのようなものか、私達はじっくり考える必要があります。人々は幸福を求めて各自の人生を歩んでいるのでしょうが、実際、終生時にあたってそれらが満たされたかどうかは、心もとないのではないでしょうか。
 しかし、自然界を見ると若干様子は違います。現在、この文章を記述しているのは4月下旬ですが、木々はさっそうと芽吹きを始め、その新緑の葉に卵を産む為に、モンシロチョウはパートナーと舞い踊ってカップルを遂げています。
 もちろん、これらは誰かに強要された訳でなく、自分達で適切な時季の到来を感じて行動している訳ですが、そこには自然への信頼が背景にあることでしょう。彼ら自然界に生きる者にとって全ては自分のものであり、同時に他人のものでもあるのです。つまりは自分の所有物はなく、常に「借りている」ものではないかと思われます。その借り物の中で自分の子孫を残し、存続させる必要がある訳で、唯一自分の身体一つを拠り所として、一生を自然の中で過ごす訳です。またその一生は人間に比べて非常に短いものであることは皆さまご存知の通りです。
 本項においては、人間の全ての緊張状態の源は「自分のもの」と「他人のもの」との所有の区別にあるとしています。それ故、古来から全てを捨て去り、即ち「自分のもの」を無くすことが必要だと説かれているのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落156

156 The average individual does not realize how completely he is bound and limited by his own opinions. Tenseness is wholly a condition caused by the personal ego; possessiveness, greed, fear, covetousness and self desires all produce a set and unyielding condition within the body. The person who is of a very positive nature finds relaxation a most difficult accomplishment, for relaxation consists of releasement and non-resistance. It is a natural state of being which should be maintained at all times but cannot be held by one who is absorbed in self interest only.
156 平均的な人間は自分が如何に自分自身の意見によって完全に縛られ、制限を受けているかが分かっていません。緊張状態は個人的なエゴによってもたらされた全くの状態なのです。所有欲、欲張り、恐怖、どん欲そして自己願望、これら全てが一派を作って頑固な状態を肉体内部に作り出します。とても独断的な性格の人はリラクセイションを最も達成が困難なものだと思っています。何故なら、リラクセイションは解放と無抵抗から成り立っているからです。それは常時保持されるべき自然な状態なのですが、自己の関心のみに没入している人には掴むことは出来ません。



【解説】
 あらゆるものを受け入れる受容力が整わなければ、真の意味のリラックスは出来ないということでしょう。私達は長年、自己保身と自我の欲望によって自分自身を縛って来たのです。
 その呪縛を解くにはまず、自我を解放・拡張しなければなりません。最初は抵抗があるかも知れませんが、自らの運命を宇宙に一切任せ、自身はひたすら湧き起こる印象類に従って行動し、その結果を観察するだけで良いのかと思われます。その過程で良さそうな結果が出れば、自分の方向は誤りないことが分かる筈です。
 仏陀の昔より、如何にしてリラックス(自在な心境)に到達するかが求められ、またその道程が問われて来た訳で、仏陀も弟子達にその解決策を説いていたように思われます。
 リラクセイションへの道は、多くの人々が願っていることでもあり、今私達はその鍵となる教えに接していることになります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落155

155 Relaxation reduces the friction within the body by eliminating the resistance of one cell-form to another. For instance, if a large number of fish were placed in a very small bowl there would be constant friction due to the inevitable contact between them, and the action of each would be retarded because of the congested condition existing within the bowl; but if these same fish were released into a large  pool they would swim about easily without interference with one another. They would be in a position to use the potential energy which they possess. The cells in the body act in the same manner and it is the mortal sense mind which must release them for free execution of their purpose.
155 リラクセイションは、細胞と細胞との抵抗を取り除くことによって、肉体内の摩擦を低減します。例えば沢山の魚がとても小さな鉢に置かれたら、それらの間には避けがたい接触に起因する恒常的な摩擦が生じるでしょうし、各々の行動はその鉢の中の混み合った状況のため、遅らされることでしょう。しかし、これら同じ魚が大きな池に放たれるなら、魚達は互いに干渉されることなく、たやすく泳ぎ回ることでしょう。彼らは自分達が持つ秘めたエネルギーを用いる立場になることでしょう。肉体の中の細胞も同様な行動を取りますし、細胞もそれらの目標に向けて解放しなければならないのは、死すべき感覚心なのです。




【解説】
 私達自身、活気があるとか無いとかと描写するのは、実はその人の身体の各細胞の状態から来るものであると思うべきでしょう。活発であるか否かは実は微細な個々の細胞の活動状況に由来しているのです。
 通常、私達は心配事や不安定な感情の影響から、各細胞は不要なストレスを受けており、自由な行動が出来ないでいます。それが長く続くと細胞は耐えられず斃死したり、老化を早める訳です。しかし、本来の自由、新鮮な環境に置かれれば、以後は自由に自分を表現でき、若さを取り戻します。
 実は人間以外の生きもの達はそのような生活を享受していることに気付きたいものです。小鳥や昆虫達が陽春の中、自由に飛びまわっている姿は、宇宙的な真の生き方を私達に身を持って示して呉れています。
 リラクセイションはこうした本来の生き方に通じる心身の状態を表すものだと考えています。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落154

154 A person may quiet the body through a form of self-hypnosis, but this is not relaxation, for it destroys the free action of the body elements. The body is composed of tiny cells in each of which there is a spark of potential energy capable of unlimited radiation. This spark or nucleus within each cell is the animating energy of the body, but because the particles surrounding this central force are generally held in the tense state they act as barriers or resisters to the energy within. When this tense condition is released the outer substance composing each cell becomes receptive to the energy at its center and is set into a higher frequency through the action of the interpenetrating force.
154 ある人は自分の肉体を自己催眠の形を通じて鎮めるかも知れませんが、それはリラクセイションではありません。何故なら、それは肉体の構成要素の自由な活動を破壊しているからです。肉体は小さな細胞から構成されており、それら一つ一つの中に無限の放射能力が秘められたエネルギーの生気があるのです。この生気、もしくは細胞核は各々の細胞の中にあって、肉体の活動的エネルギーとなっています。しかし、この中央の力を取り囲んでいる粒子群が極度の緊張状態にあって、内側のエネルギーに対する障壁や抵抗になっています。この緊張状態が解放されると、各細胞を構成するその外側の物質は中央部にあるエネルギーを受け入れることが出来るようになり、その貫通する力の活動を通じて、より高次な振動数にセットされるのです。




【解説】
 これまでは漠然と「生命力」とか「宇宙的活動力」とかと表現されて来ましたが、本項ではそれを具体的に説明しています。即ち、各細胞の核がその細胞を活性化させる源であり、細胞の英知の中心であるということかと思われます。
 もちろん、今日の科学知識によれば、その核の内部にDNA等のいわゆる核酸成分が多く含まれ、細胞活性化の具体的な知識・情報が蓄積されていると解釈できます。
 そのように考える時、大は私達太陽系惑星群の中心は太陽ですし、小は細胞の核、更には原子における原子核の役割も互いにシンメトリーな関係にあることに気付きます。
 重要な点はこれら活動の源として「核」なるものが存在し、その指示に従い支えるのが周囲の者の役割であることです。従来はかたくなに受け入れられないでいたことが、「緊張」につながり、各細胞の老化に結びついていた訳です。私達はこのことを踏まえて、中心の核から発せられる活動的な印象波動を快く受け入れ、協働的になることが重要です。そのことが身体内部の不要な抵抗を無くし、健康を取り戻すことにも繋がります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落153

153 Relaxation is not inertia! A person may be very quiet and still not be relaxed. It is possible to be in a state of lethargy which may be interpreted as relaxation but such a condition is no more than the effect produced by loss of equilibrium which lowers the frequency of the body cells and puts them in a state of partial coma. Such a condition is to be avoided for it is actually destructive. Relaxation does not include the creation of a mental vacuum or the cessation of action. It is the means by which the mortal consciousness releases itself to the greater action of the Cosmos and therefore should not and cannot produce a dormant condition in any part of the body. If a person is not aware of a finer and more intense activity taking place within his being he can assure himself that he is not relaxed but has merely dropped into a state of indifference.
153 リラクセイションは惰性状態のことではありません。人はとても静かであってもリラックスしているとは限りません。リラクセイションと解釈されるかも知れない無気力状態もあり得ますが、このような状態は肉体細胞の振動数を下げ、それらを昏睡状態にさせるような均衡を失ったことによってもたらされた影響でしかありません。このような状態は避けなければなりません。何故なら、それらは実際には有害であるからです。リラクセイションは精神的空白や行動の中断を作り出すようなことは含み得ません。それは死すべき意識が自分自身を宇宙のより大きな行動に解放する手段であり、それ故、身体のどの部分にも休眠状態を作り出すことはありません。もし、ある人が自分自身の中により精緻で、より激しい活動が生じていることを感知しないのであれば、その者はリラックスしているのではなく、単に無関心の状態に落ち込んでいるに過ぎません。



【解説】
 真のリラクセイションとはどのような状態であるかを本項は説いています。とりわけ私達はリラックスを単純な弛緩状態、即ち何もかもへの関心を無くし、精神及び肉体は惰性のまま捨て置くものと考えて来ましたが、それは大きな誤りであることが分かります。
 自身の身体や自然を観察すれば、世の中に静止しているものなど無いことが分かりますし、こうしている間にも私達の心臓は絶え間なく鼓動し、身体くまなく血液を輸送していますし、毎回の呼吸は私達の生命を支え続けています。
 このように考える時、本来の宇宙的生命の流れは「活動状態」であり、それらに従うこと、その流れに逆らわずに従うことが最もリラックス出来る状態であることが分かります。もともと疲労するのはそれらの基本的流れに対して抵抗となるからであり、流れに乗る限り、無用な労力を費やすことなく、自由に自分の進路を進むことが出来る訳です。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落152

152 Relaxation should be used as a process of reestablishing harmonious, non-resistant action; the true way of expressing those words of the Christ, "Not my will but Thy Will be done."
152 リラクセイションは調和ある無抵抗の行動を再構築する過程として用いられるべきです。その道はキリストの言葉、「私の意志が行われるのではなく、汝の意志が行われるのだ」が表す、真の道です。



【解説】
 本文で言う"Thy"を文字通りに訳出すれば「汝の」となる訳ですが、本項でも意味はもちろん「創造主の」という意味であることは明らかでしょう。実はそれほどにイエスは創造主と近い関係、すぐ近くに意識していたということです。
 自分の意志はもちろん重要なのですが、それより大切にすべきなのが因からの印象・想念であり、その指示に従うこと、それに対して疑問を差し挟まないことが、リラクセイションの効用ということでしょう。自らの意志は重要視しつつも、それらを創造主の意志の前に完全に従わせることが重要なのでしょう。
 本来の創造的想念に従っていれば、本人の体内に不要な摩擦は無く、各細胞は本来の活動に邁進して行ける筈です。こうしてリラクセイションは各人の健康にも大きな役割を果たすことになります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落151

151 I believe that there is a misconception regarding relaxation. It is often thought of as a state of inertia, and people will be heard to remark, "Oh, I haven't time to relax; my work keeps me busy every minute." If relaxation were truly understood such ones would realize that there is ofttimes much greater relaxation in work than in so-called periods of rest. The law of nature demands purposeful action and if a person is intensely interested in his work he is making of himself an open channel for the free expression of energy which is always waiting to be used. In other words, a person who has lost himself in some particular piece of work forgets to set up the usual mortal resistance to free-flowing energy and so opens himself automatically to its benefits.
151 私はリラクセイションに関しては誤解があると思っています。しばしばリラクセイションは慣性状態のように考えられており、人々は「ああ、私にはリラックスする時間が無い。仕事が休む暇なく忙しくさせている」と言うのを聞くことがあるでしょう。もしリラクセイションが本当に理解されるなら、このような人はいわゆる休んでいる間よりは、しばしば働いている時の方がはるかにリラクセイションにあることに気付くでしょう。自然の法則は目的のある行動を要求しており、もし人が自分の仕事に対して情熱的な関心を抱く場合は、その者は常に使用されるのを待っているエネルギーの自由な表現の為の経路に自分自身を成しているのです。言い換えればある特定の仕事の断片の中に自分を没入させた人物は自由に流入するエネルギーに対する通常の死すべき抵抗を打ち立てることを忘れてしまい、自分自身を自動的にその恩恵に対し開くのです。



【解説】
 本項の内容に関してよく言われる例として、自身がパイプになって宇宙根源から湧き出す知識・活力を地上に表現するというような表現が為されます。即ち自身は何ら自らの判断や意見というような情報の乱れや抵抗を持たず、自身にやって来る想念・印象の表現者・体現者に徹するということです。
 この場合、パイプを通して高速で大量の水(情報)が湧き出ている訳で、パイプ自身は流れの抵抗となるものはなく、パイプ自身は大変リラックスしている状況になります。同様に私達も因からの想念・印象の完全な表現者になれば、それは同時に本項で言うリラクセイションを保っていることになります。
 いずれにせよ、物事を成就させるためには、因の創造的作用は欠かせないので、私達は自我(エゴ)にその役割をこのような因の情報を伝え表現するためのパイプ(輸送手段)であることを認識させ、日頃から抵抗なく因からの情報を無尽蔵に表現する者となるよう努力することが重要となります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第14章-段落150

14 RELAXATION
150 One of the most ascribed methods of attaining physical and mental well-being is the development of the ability to relax. Psychology, medical science, athletes, etc., all acknowledge the beneficial results obtained when the body is not tense, but the average individual finds it difficult to relax at will.
第14 章 リラクセイション
150 身体的及び精神的健康を達成する上で最も要因となる方法の一つは、リラックス能力の発達です。心理学、医学、スポーツ選手その他全てが、肉体が緊張状態に無いときに有益な結果が得られることを認めていますが、平均的な個人は、思いのままリラックスすることを難しいことだと思っています。

【解説】
 本章ではリラクセイションについて学びます。これまで私達は自我を如何にして育成するかを学んでいますが、その過程で問題となる自我ではあるものの、それを他人に委ねたり、一時的な麻痺状態にする形での自我の喪失には大きな問題があることを学びました。
 その上でどうすれば日常的に自我を本来の姿に持って行けるかについて解説されているのが本章かと考えます。
 これまでの様々な分野での経験から、各自の精神状態、即ち自我(心)が同調している想念波動が実に大きな影響を持っていることが知られています。極端な不安や恐怖の状態から、優越感や支配感に至るまでとかく私達の心は不安定な状態のまま推移しています。
 そうした中にあって、静けさや冷静さを保ち、平穏な心の状態を創り出すことが大きな成果に繋がることは周知の事実なのです。このことを考える時、如何にしたら心の平安を保てるのか、リラックス状態を創り出せるかが重要となります。
 私達の学習教科の中では、想念・印象を保持・共鳴する心がどのような状態にあるかによって、その現実世界への作用や実現力にも大きな影響を与えることを身に染みて学習することが大きなポイントになっています。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」 第14章-段落162

162 It is not the exertion of the personal will but the releasement of the personal to the impersonal will which brings increased energy and wisdom into our lives. We need only to remove the barrier of "self"-ishness and a tide of understanding will flow in and through our being until we become immersed in its activity
162 エネルギーの増加と知恵を私達の生活にもたらすのは、個人的意志の行使などではなく、個人的意志の非個人的意志への解放によって行われます。私達は只、自己中心的障壁を取り除くだけでよく、そうすれば理解の潮流が流れ込むようになり、遂には私達を通じてその活動の中に没入することになります。


【解説】
 リラクセイションの本来の目的と意義を、本項では最後に要約しています。私達は従来、疲労した心身を休めるために一時的な心身の弛緩としてのリラクセイションを取扱いがちですが、リラクセイションの本来の意味は、より深い所にあることを学んで来ました。即ち、リラクセイションとは自我の意志をより大きな宇宙的意志の下に完全に従わせて、心身の緊張状態から解放することによって、自身を創造の流れの中に没入させる際の条件作りであった訳です。
 何事も言葉に表される段階以前の想念の塊の状態から反応することが重要なようで、これら先行するアイデアの段階から自身の身を置いて行動する中で、後から見て、その時は宇宙意識的指導があったと気付くことが多いのではないでしょうか。私達地球人にとって、想念は未だ大変微妙なものでしかなく、その感受性を高める上で、リラクセイションの状態を保持することが重要となっています。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」 第14章-段落161

161 The idea that one must become strenuous in outward action or must display an appearance of great personal effort in order to accomplish outstanding things is a false belief. The person who reaches the greatest heights of accomplishment is he who holds all of his actions in a serene and peaceful state, recognizing the fact that he is not the instigator or projector of intelligence but only the form through which it flows into manifestation; and the more fully the recipient is cleared for action the greater the action will be.
161 人は顕著な物事を達成する為には、外に向かっての行動に奮闘し、或いは大いなる個人的な努力をしている姿を示さなければならないとする考えは誤った信念です。最高位の達成に行き着いた人は、自らの行動を澄んで平安な状態に維持し、自らを英知の扇動者や計画者としてではなく、自分が創造物に流れ込む形あるものでしかないという事実認識をしている者です。そして受容者が行動の為、より完全に空になればなる程、より大いなる行動が起こることになります。


【解説】
 いわゆる自らの意志を行なうのではなく、自分は宇宙根源から湧き起こる宇宙的な想念が発現する媒体、即ち、単なるパイプとして宇宙意識に献身することで、真の人間の可能性が発揮されるとしています。
 そのためには、自我の主導による無益な努力に身を置く必要はありません。自我による労苦の中で精神まで疲れる必要はないというものです。適時的確に事を行なうには、心を平安かつ鋭敏な状態に保ち、宇宙源泉から来るヒントを感受して無抵抗に対応することが必要となります。創造主は、元来、その子供達には労苦を与えることなどなく、常に楽しく暮らせるよう、配慮されていると思うべきです。
 「野のユリは、.....」の一節にあるように、人間以外の生きもの達は皆、各々の生涯を厳しい自然界の中でも謳歌しています。今の時分はセミの声も多く聞こえますが、数年間の穴倉生活の後、地上に出てきたセミ達にとって暑さは元気の源であり、ほんの小さな身体から驚くべき大きな声を発し、生命を精一杯楽しんでいます。自らが宇宙意識の表現者として日常を生きるという点に関しては、セミ達から学ぶことも多いように思います。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」 第14章-段落160

160 Man is capable of expressing the fullness of life but he must become non-resistant to cosmic energy if he would have it express through him. He has lost the true course of action by exalting the personal ego; he has created the habit of believing that all accomplishment is brought about through the exertion of personal effort. He fatigues himself unnecessarily by trying to force conditions which will come about perfectly in a natural way if allowed to do so. Much energy is wasted because of personal dominance. It is difficult for the mortal to understand that impersonal non-resistance allows a free flow of energy, that in peace there is more intense activity than in friction. Man has become so aware of the coarser frequencies that he cannot realize action in its finer, more quiet and peaceful state. One who does live the non-resistant, receptive attitude has found the highway of true happiness, for he knows no fatigue, no pain, no disappointment.
160 人は生命の完全さを表現できる能力を有していますが、それを自分を通じて表現するには、宇宙エネルギーに対して無抵抗にならねばなりません。人は各自のエゴを高ぶらせた結果、真に歩むべき行動の道を見失ってしまいました。人は全ての達成物は各自の努力の行使を通じてもたらされると信じる習慣を作り出してしまいました。人はもしそうすることが許されれば自然と完璧に訪れるような状況に対して、無理強いすることで、不必要に自身を疲労させています。より多くのエネルギーが個人の優位のために浪費されています。死すべき者にとって、非個人的な無抵抗がエネルギーの自由な流れを与え、平穏の中には摩擦状態よりはるかに強烈な行動があることを理解するのが難しくなっています。人はより粗雑な振動に対してあまりにも敏感になってしまったため、より精緻でより静かな平穏な状況における行動を知覚することが出来ないのです。こうした中、無抵抗で受容的な態度で断固生きる者は真の幸福の王道を見つけています。何故なら、その者は疲れや痛み、失望を知ることはないからです。


【解説】
 最近のハイブリッドカーは静かに加速する一方で、周囲の迷惑も顧みず荒い騒音を撒き散らして急発進するバイクがあるように、人の生き方も様々です。自分の進む道は自分で開拓すべきことは確かですが、私達はこれまで余りにも自我を強めて来てしまったため、行動の動機が自我(エゴ)を高めるために設定していました。その結果、困難の中、無理な努力の中で成果を得られず落胆に終わる事例を積み重ねてしまいました。
 一方、自然界を見れば、このような無駄な動きが一切無いことに気づきます。どうしてかは分からないものの、皆、精一杯働いてはいても、その表情に苦労は見えません。野生の動物や植物等、皆、与えられた生命を楽しんでいるように見えてしまいます。厳しい自然環境の中でこれらの生物達に適切な忠告を与える存在とその声に素直に従う生き物があって初めて成り立つ世界が自然界にはあります。
 ものに名前を付ける権利、全ての創造物を統括する権限を与えられた人間は、本来、もっと落ち着いた有意義な生き方が出来る筈ですが、それが出来ない原因は、自我の高まりだという訳です。自我を統制して、素直に印象に従う中において、もっとスムーズに宇宙本来のエネルギーを活用して生きる道が拓かれることになります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」 第14章-段落159

159 The people on Venus live this law and thereby do not have to endure the unpleasant conditions that we must contend with on earth.
159 金星の人々はこの法則に生きており、それ故、地球で私達が向き合わなければならないような、不愉快な状態を耐え忍ばなければならないということはありません。


【解説】
 自我の問題の解決を終えている金星人にとって、およそ苦痛というようなものはなく、安寧な生活を送っています。仏教で言う数多くの仏国土の存在は、こうした進化した惑星が宇宙には莫大な数、存在していることを古来から、地球人に知らせるものでした。
 これに対し、地球ではその存在を憧れるだけで、その実現に何が必要かについてまでは、長らく考えが及ばなかったように思われます。
 本講座をはじめ、アダムスキー氏が伝えた精神科学や、単なる概念ではなく、現実の生命科学に結びついた生きた科学として、具体的な人間の生き方と生命活動、精神活動が結びつけられていることを明らかにしています。人間の瞬間瞬間の想念が現実を作り出していることを学ぶことによって、私達はますます、自我の統制に力を注ぐべきことが分かります。
 先日、夜海辺で空を見上げていますと、次々に飛行機が空港に近づいて行く様子が見えました。それらは海外から日本に就航する飛行機なのですが、いつの将来にか、これらが他の惑星からの宇宙船に置き換わり、次々に他の天体からの訪問者がこの地球を訪れるようになれば、この文明も大きな変化を遂げることだろうと思った次第です。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」 第14章-段落158

158 When relaxed one is flexible and receptive to unlimited conscious energy which is free to all who draw upon it. Life and energy are limitless but we can have only as much as we are willing to accept.
158 リラックスしていると人は柔軟になり、それを求める全ての者に自由に与えられる無限の意識的エネルギーを受け入れられるのです。生命とエネルギーは無限ですが、私達は受け入れようとするだけしか得られないのです。


【解説】
 何事も余裕がないと広く考えが浮かばないものですが、そもそも原理的には自らの各肉体細胞を束縛や緊張から解放し、各々中央の細胞核からの英知に受容的になれば、従来にない物事を達成する可能性があります。
 書道家が自由に筆を走らせ、音楽家が自在に指で鍵盤をたたくように、真に自由な状況になると様々な才能が芽を出すように思われます。ある意味、迷いが無く、自らを湧き起こる知性の表現者として解放する姿がそこにあります。
 これらの才能の開花は、その人の心がより素直になり、抵抗を差し挟むことを止めると生まれ出るようで、次々にその成功体験から、自分がどのような心境の時にそれを達成したかをよく覚えて置けば、次のチャンスには、それを更に容易に実現することが出来るように思われます。スポーツ選手の練習も、芸術家の修練も、そのイメージをどう自ら構築して行くか、工夫しているように私には思えます。自分自身の心の状態を自ら静かにチェックし、良い状態を保つことがポイントです。
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