「宇宙哲学」 第12章

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落139

139 This change is similar to a high precision motor that causes a frictional deterioration on all of its parts when it is not properly synchronized. Each emotional unbalance curtails the free life flow and causes damage to the body, until the mortal sense intelligence comes to the realization of its limited and destructive influence and releases its personal ego to the Cosmic Life Force.
139 この変化は高精密なモーターが適切に同期が取られていないと、その全ての部品に磨耗を引き起こすのと類似しています。死すべき感覚の知性がそれ自身の限界と破壊的な影響を自覚するようになり、宇宙的な生命力に個人のエゴを解き放つまでは、感情のアンバランスの一つ一つが自由な生命の流れを短縮し、肉体に損傷を与えるのです。




【解説】
 私達の身体は精妙な作りになっています。それ故、私達の刻々の心境、受け入れた想念の波動が瞬く間に全身の細胞に影響を及ぼします。
 本項の例のように私達が感情を爆発させたような場合、その影響は甚大です。顔つきや皮膚までも硬くなる等、身体細胞にダメージを与えることが分かります。もちろん、こうした繰り返しを重ねると、致命的な病気になったり、また、反対に心自体があらゆる事柄に無反応になるということでしょう。
 実はその反対に、もし私達が本来の宇宙の精妙なる想念波動と同期するのであれば、私達の身体は直ぐに本来の調和ある動きを復活し、本来の最高位の創造物としての表現を行えるようになり、その生命活動に衰えは無い筈です。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落138

138 Any emotional extreme disturbs the normal frequency action of the chemicals of the body. Excitement, whether it be caused by extreme joy or fear or anticipation, allows the normal amount of certain chemicals that go into the blood stream to be changed; thereby changing the normal action of the heart. This in turn affects the nervous system and the cells of the body and causes one to feel weak or ill.
138 如何なる感情の過度も肉体の諸化合物の正常な振動活動を妨げます。興奮はそれが歓び或いは恐怖、予感によって引き起こされるに係らず、血流に入るある種の化学物質の量に変化をもたらします。その結果、心臓の正常な動きを変化させるのです。この結果、それは神経系統が肉体の諸細胞に影響を与え、その者に疲労感や体調不良を感じさせます。



【解説】
 感情の極度な高まりは人体にドーパミンやセロトニンその他、今日では神経伝達物質と称される様々な物質が分泌され、それらが心臓その他の臓器の活動に大きな影響を及ぼすとされています。また、一方では覚せい剤等の特定の薬品もこうした身体への影響を与えることから、一時的な感情の高まりはあってもそれらは継続せず、最後は身体が消耗して結末を迎えるのです。
 このように感情の起伏は私達の本来の生命活動を阻害する訳で、私達は努めて自らを穏やかに安定した精神状態に保つことが必要なのです。
 その為にも、私達は自らの心をそのような乱れた状態に陥れることから防ぐ必要があり、絶えず心に浮かぶ想念を見張って、より適正なもののみを受け入れるよう心掛ける必要があるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落137

137 Emotional balance maintained under all conditions is essential if one wishes to have lasting happiness and good health.
137 永続する幸せと健康状態を持とうとするなら、全ての状況の下で感情のバランスが保たれることは必須です。



【解説】
 私達の感情は非常に不安定です。とにかくも少しでも不都合な状況が分かれば、それに動揺し不安ばかりが先行しますし、意見の相違により自分の主張が通らない場合では怒りさえも生み出すのです。
 これらは私達が正しく状況を理解出来ないことに由来しますが、自らの感情をコントロール出来なければ現代社会の中で生きて行くのも苦しくなるばかりです。
 そうした中で必要なのは自ら自分の心境をコントロールすることです。様々な外乱の中にあってもしっかりした芯棒、立ち位置を持ち、行く末を見通す視野が必要ではないでしょうか。そういう意味でも、私達には他惑星文明につながる哲学があり、十分な知識も有していることを忘れてはなりません。イエスや仏陀の時代に遡る歴史を通じて歩まれて来た進化の道を歩き続ける中で、そうした感情を鎮め、本来のバランスを保つことに専念しなければなりません。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落136

136 There is so much bickering over personal opinions, and what does it profit man? Nothing, for it is a consumer of time and energy. This does not mean that there should not be an intelligent discussion about a subject but when the mortal sense mind is quiet and receptive it can see the picture clearly.
136 各自の意見に対してあまりにも多くの口論が為されておりますが、それは人に何の利益をもたらすのでしょうか。何もありません。何故なら、それは時間とエネルギーの浪費であるからです。これはテーマに対する知的な議論をすべきでないと言うことではなく、死すべき感覚心が鎮まり受容的になる時、感覚心は情況をはっきり見ることが出来るということです。




【解説】
 多くの場合、私達は議論をうまく進めることが出来ません。各自が自分の意見を曲げず、互いに物別れになるケースが多いものです。その為、協議の機会を設けることすら無駄に思うことも多いものです。
 原因は私達自身のメンツ、即ち自我を守ろうとすることにあります。各自が柔和な心境、寛容さを持てなければいたずらに時間を無駄にするだけに終わってしまいます。
 私達には皆夫々に本来、同じ時間、同じ恵みが与えられている筈ですが、柔軟性が無くそれを十分に活かせないまま、人生の最後になって成功と失敗の結末の差につながるように思われます。 
 イエスが言ったように、素直な幼児の心境こそ、私達が常に保持すべきものなのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落135

135 All that man is in reality - is the thought that he is consciously aware of for the moment. Each moment follows the preceding moment and the key, if there be one, is to keep constant vigil over our reactions so that the next thought will be one that we can enjoy entertaining in our mental house.
135 現実における人の全ては、その人がその時、意識的に気付いている想念なのです。各瞬間はその前の瞬間の後を付き従っており、もしカギがあるとすれば、それはその次の想念が私達が自分達の心の家で楽しむことを可能とさせるものであるよう、私達の反応を絶えず見張り続けることです。




【解説】
 私達人間の本質は、その者が取り込む時々刻々の想念であると本項は要点を突いています。つまり、私達の人格は生まれてから現在に至るまで身体を通して来た想念が形成したものであるのです。
 このことは今後、私達が取り入れる想念をより良いもの、宇宙的な性質のものに転換すれば、私達自身も進化して行くことが可能であることを意味します。即ち、いつでも懺悔し心を改めれば立ち直りの機会が与えられるということです。
 そしてもう一つ重要な点は、たとえこれまで正当な進化の道を歩んで来たからと言って、劣悪な想念が入り込ませることを許せば、たちまち奈落の道に落ちることになる訳で、私達は絶えず自分自身に受け入れるべき想念を見張り、チェックする必要があるということです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落134

134 The emotional force which rises in the mind when one's will is crossed by another's is very destructive for it draws the actor into a whirlpool of unbalanced action, and he is blinded to reality.
134 ある者の意志が他の者の意志と行き違いになった時、心に起こる感情の力はとても破壊的です。何故なら、それは役者をアンバランスな行動の渦の中に引き込み、その者は現実が見えなくなってしまうからです。




【解説】
 先にも述べたことですが、当初は同じ目的で始めたものでも、やがて意見の違いが出るものです。その際に多くが陥るのが、本文に記されているような内容です。これは哲学・宗教の分野でも同様です。その結果は多くの宗派、教団が乱立し互いに違いを争う有り様になる訳で、その原因は本文に記されているような当事者の破壊的な感情に起因します。
 それ故に古くから寛容が重要だと説かれている訳ですが、何よりも私達はこうした場面に生じる破壊的な想念こそ、抑え込み、解消させなければなりません。怒りは敵と言われる通りです。実際には相手が何故そのような想念を起こすのかを理解できず、自分の意見を押し通そうとすることに原因があります。また、その結果を修復するには長い時間が掛かることがこの地球では繰り返えされて来たのです。
 私達は常に自他ともに公平、平等であり、積極的に相手の提案を理解しようとする素直さが必要という訳です。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落133

133 The everlasting spark of life which allows man to express as a form is never separated from Cosmic Cause; when man controls his mortal sense mind to think beyond apparent effects he begins to understand the purpose of life and gain a margin of emotional balance.
133 人を形あるものとして表現させる生命の永続する輝きは、決して宇宙的因から離れることはありません。人が自らの死すべき感覚心をコントロールして外観上の結果物の背後を考えさせる時、人は生命の目的を学びはじめ、感情のバランスの余裕を掴みはじめます。




【解説】
 私達は常に宇宙始原の因から送れられて来るスパークを発するような力強い波動を受けることによって生き続けているのです。絶え間なく打つ心臓の鼓動はそれをよく表しています。
 このように私達は本来、宇宙的な波動の中に生きている訳で、これまで問題とされて来た結果物に支配されている件についても、少し心してその実態を、こうした想念・印象の世界から見直すことによって理解出来るようになるという訳です。従来の視点に少し因の要素を取り入れるようにすることで、自ずと道が拓けるというものです。その為には、自らの心を落ち着かせて、未知・未経験な波動も先ずは受け入れるようにする寛容さが重要になると考えています。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落132

132 Innately every human feels an ideal life that he is seeking to find but each individual wants this heaven to be according to his specifications. Many groups have started with high ideals but when the personal opinions prompted by the ego of some of its members have not been accepted the ideal was lost in the fog of emotional differences.
132 生まれつきあらゆる人は自分が見出したいと求めている理想的な生活を感じ取っていますが、個々人はこの天国が自分の明細仕様に従ったもので有って欲しいのです。多くのグループが高尚なアイデアを持ってスタートしましたが、そのメンバーの何人かのエゴによって促された個人的な意見が受け入れられない時には、その理想は感情の相違という霧の中に失われてしまいました。




【解説】
 このアダムスキー哲学や宇宙文明に関しても過去半世紀以上、私達は様々な経路を辿って来ましたし、その間、多くの人達が会に加わりまた、去って行きました。その結果、知識としてはもはや日本では十分に知られている或は知り得る環境になっているのですが、果たして1952年11月20日に起こった宇宙人との会見以降の一連の事柄が現在の私達にどれほど役立っているのかは、正直疑問です。
 実はグループの運営はそれ程に難しく、また同時に様々な妨害活動も降りかかって来るものです。こうした中、私達は当初の理想を失いかけ再び元のモクアミに戻りつつあるのかも知れません。
 実際に砂漠で会見した当事者やその支持者等、アダムスキー氏の活動を支えた人達は貴重な体験を得た一方、時の経過の中で地上から旅立ってしまっており、残された私達は書物を通じて自習することが求められています。こうした中にあって、私達は再び元の混乱に戻ることなく、当初の感動に立ち返って再び集うことの大切さを認識すべきです。ちなみに英語ではこれら再会の集いをReunionと称しています。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落131

131 From the heavens comes the cause and power of creation and yet the earth, being the Father's footstool, it is the foundation upon which He stands. So instead of desiring to live elsewhere one should learn all there is to know concerning his present earth home and recognize it as a garden of beautiful, heavenly things, the actual garden of the Father.
131 諸々の天から因と創造の力がやって来ますが、それでも地球は父の足台であり、父が拠って立つ基礎です。ですから、何処か他の地に住みたいと願う代わりに、人は自分の現在の地上の家庭についての全てを学ぶべきであり、それを美しい天上の事物の庭、父の実際の庭として認識すべきなのです。




【解説】
 そもそも私達自身が自分が生まれた意味や目的についてよくよく考えるべきでしょう。私達に用意されたこの地上で暮らす中で各々自らの生きる目的を明確に掴む必要があります。
 とりわけ歴史を観れば各々の時代によって地上の状況は異なり、戦乱の時代のような困難な時期もあった一方、科学技術が進んだ今日のような状況もあるのです。その中では学べる内容、学ぶべき事柄も異なる筈です。私達は過去何回か地球に生まれ過ごしていたかも知れませんが、現在では現在の課題があるということです。
 いずれにしても本文で明記されているように、創造の原点である因は宇宙に由来しますし、その表現を担うのは地上世界である訳で、私達はそれらを繋ぐ経路となるべきで、両者の間に優劣はないのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落130

130 Neither heaven, the place of cause, nor earth, the place of effects, nor Jerusalem; symbolically used to represent the earth's inhabitants, can be called one greater than the other. These instructions were given against discriminating or calling one part better than the whole, Heaven and earth are not two but one, each expressing the other; man is no lesser for he is both, an integral part of the Whole. Divisions exist only in man's opinions when he calls one greater than the other, for in so doing he is judging and setting himself above the Creator.
130 因の場所である天も、結果の場所である地も、地球の住人達を代表させるべく象徴的に表現されたエルサレムもどれ一つ他のものより偉大だと見なすべきではありません。これらの訓戒は差別したり一部分が全体より優れていると見なすことに対して授けられ、天と地は二つの存在でなく一つであり、互いに他を表現しているのです。人は劣るものでなく、両方の存在、全体の統合された部分であるからです。区別は人が一方のものを他より、より優れたものとして見なす時の人の意見の中にのみ存在します。何故なら、そうすることによって人は裁きを行い、創造主より上位に自分を置いているからです。



【解説】
 本文の元となったイエスの言葉は、聖書の解釈(http://thomasluke.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-8cee.html)によれば、当時の律法学者は誓いに関する逃げ道として「神」の名によるもの以外はその限りでないと言い訳していたとされています。つまりは誓いの対象として上下の関係を設けていたことに対して、イエスは諭していたという訳です。
 実は同様なことは私達にも当てはまります。即ち、宇宙の因こそが重要であり、現世は重要ではないとすることです。よく引き合いに出されるのはインドに多く居るとされる修行者で、汚れた衣服を着て現世のことには一切関心なく、隠遁生活を送る人に対して、人々を導く為には、逆の意味で現世にも関心を持ち、身繕いを勧めたいところです。これらの状況は遠く仏陀の時代からあった訳で、苦行では真の悟りを得られないことは苦行から離れ村の少女から乳粥を寄進された仏陀がその後悟りを啓いた故事からも明らかです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落129

129 In Matthew 5 :34-35 is the admonition against division plainly given: "But I say unto you, Swear not at all; neither by heaven; for it is God's throne; nor by the earth; for it is His footstool; neither by Jerusalem; for it is the city of the great King."
129 マタイ5:34-35には、この分割に対する訓戒が平易に授けられています。「しかし、私は貴方に言う、天にかけて誓ってはならない、それは神の王座であるからだ。また地にかけて誓ってはならない、それは神の足台であるからだ。またエルサレムにかけて誓ってはならない、それはその偉大な王の街であるからだ。」




【解説】
 そもそも「〇〇にかけて誓う」とはどのような意味なのかを考える必要があります。最も単純に考えれば、「自分が持っている〇〇をかけて誓う」と言うこおt、即ち「〇〇は私のものである」ことを前提として、この者は相手に誓っているという解釈もできるのです。
 しかし、本項ではかつてこう述べる者に対し、そもそも”天国”や”王座”、”エルサレム”等々について、その者の所有物ではないとイエスが述べたことを記しています。即ち、これらは私達の所有物ではなく、私達には権利が無いとしているのです。
 このことは宇宙における私達の位置付けにも関わっていることになります。私達はこうした環境の中の旅人であり、何らのものをも本来、所有している訳ではないということかと思われます。各々の生涯を通じて、学びながら宇宙を旅する者というイメージです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落128

128 Teacher and students have made the mistake of separating heaven and earth and so have been carried from one false balance to another. The impersonal man will unite heaven and earth; will incorporate idealism and practicality; will bring the peace and beauty of the celestial into the concrete materialism of the earth. Anyone who cannot live a happy useful life here in the present world will find it no easier in another world. The Father, by whose breath we live, has but one Law that governs all things. He created this planet as He created all others, and the same principle directs its action. All worlds in the cosmos are alike in principle and to one who lives according to the Law there is no division of perfection.
128 教師と生徒達は天と地とを分離するという過ちを犯しており、その為に一つの誤ったバランスからもう一つの誤ったバランスに運ばれているのです。非個人的な人は天と地を結びつけますし、理想主義と実践主義を結合させ、天上の平安と美しさを地上の確固たる物質主義の中に注入します。現在の世界で幸せで有意義な生涯を送ることが出来ない者は誰一人、他の世界でも決して容易ではないでしょう。私達がその息で生きる父は全てのものを統括する一つの法を持っています。神はその他の惑星と同様にこの惑星を創造し、それと同じ法則が法則の行動を指揮しています。宇宙のあらゆる世界は原理において同様であり、その法則に従って生きている者にとって、完全さに何らの分裂はありません。




【解説】
 優れた芸術家が人々を感動させる絵画や楽曲を作り上げる場合、彼ら芸術家は自らが感受した宇宙的印象を自らの技量で具体的なイメージに表現して人々に見せているのです。そのお蔭で人々は改めて精緻な美の世界を学ぶことが出来る訳です。
 もちろん、これら芸術家を含めて私達はいろいろ課題のある世界に住んでいますが、こうした汚れた世界ばかりに焦点を当てているだけでは物事は解決しません。人々に正しい生活を示唆し、さらに美しい世界が存在することを教示することが重要です。
 そういう意味からも本項で述べられているように、私達は宇宙的な美しい世界とこの地上の世界とを融合させながら少しずつ社会を進歩させて行くことが重要なのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落127

127 We find that students who have studied under one teacher or another are very confused and living in a state of dissatisfaction concerning the world they must call home. They are looking to the day when they will be privileged to become the inhabitant of another planet. They can see no beauty in this world, being conscious only of the pain and misery which exists.
127 私達はある一、二の教師の下に学んできた生徒達が大変混乱していて、自分達が我が家と呼ばなければならない世界に関して不満足な状況の中で暮らしていることに気付きます。彼らは自分達が他の惑星の住人になれる日を待ち望んでいます。彼らはこの世界に何らの美しさを見ることは出来ず、そこにある苦痛や悲惨さのみを意識しているのです。




【解説】
 これまでのUFO・宇宙問題に関わる中で、多くの人達が現状の社会の問題を指摘し、それに代わる天上の理想社会に憧れる姿をよく目にしたものです。確かに地球は多くの未解決な問題そのままに科学技術のみが発達してしまったことにより、益々悪がはびこり、生きづらい惑星になっています。
 しかし、それぞれの惑星の状態はそこに住む者達が生み出したものである以上、その住人が解決すべきものです。また同時にそのような悪事が蔓延する環境にあっても、天然自然の営みは他の惑星以上に豊かであり(映画「禁断の惑星」のように)、英知を表現しているともいえるのです。
 私達はこうした現状に対してどのように対処すべきかを先ず考える必要があるでしょう。いたずらに他の天上世界を憧れるだけでは問題は解決できないからです。先ずは小さいところからの一歩、一瞬一瞬、印象を受け入れる際の心境をチェックし、毎日の自分の行動を有意なものにすることから始める他ないということでしょう。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落126

12 EMOTIONAL BALANCE
126 As we all know there is a great unrest all over the world. The conditions existing in the national, home, and personal life all display quite clearly the loss of equilibrium which now exists. Each individual feels the need for security and the people of the earth are demanding something that will bring about more stable conditions. The desire for equality and balance and some feeling of assurance have caused some people to return to the churches and many to follow the teachers who profess to know all of the answers concerning the new dispensation. Unfortunately there are extremely few individuals who are equipped with this type of knowledge.
第12章 感情のバランス
126 私達全てが知っているように、世界中を大きな不安が覆っています。国家や家庭そして各人の生活の状況は皆、明らかに今や均衡を全く失っている事態を示しており、実際そうなっています。各自は安心の必要性を感じており、地球の人々はより安定な状況をもたらすものを求めています。公平さやバランス、そして確かさの幾分かの感じへの願望は人々を教会に立ち戻し、また多くの者をその新たな摂理に関する全ての答えを知っていると称する教師達に従わせています。しかし、残念なことにこの種の知識を備えている者は極めて少ないのです。




【解説】
 前章第11章では”再び生まれるために”という課題について学び、私達には既に帰るべき家が自身の中に用意されていることを知りました。本章ではそこに行き着く上で必要となる自我の克服について学ぶという訳です。
 本章のタイトル”感情のバランス”とは、日常の私達の心の状態に関して説かれている訳ですが、未熟な私達が陥りやすい状況について改めて自ら整理して行くべきだと著者は示唆しているものと思われます。
 今日、科学技術が発達し、労苦も減って日常生活が送れるようになったにも拘わらず、私達は依然として様々な問題に直面し、不安定な状態の中に生きています。また、それら不安な人達に対して多くの声があり、宗教も生まれています。真理を求めるという意味では良いのですが、肝心なそれを導く者が利益主義の場合も多く居り、真贋を見極めることも容易ではありません。
 これに対して、本シリーズでは決して他人に頼ることなく、自らの内面に存在する宇宙源泉に繋がる真理に従って、自ら本来の道を歩むよう諭しているのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落139

139 This change is similar to a high precision motor that causes a frictional deterioration on all of its parts when it is not properly synchronized. Each emotional unbalance curtails the free life flow and causes damage to the body, until the mortal sense intelligence comes to the realization of its limited and destructive influence and releases its personal ego to the Cosmic Life Force.
139 この変化は高精密なモーターが適切に同期が取られていないと、その全ての部品に磨耗を引き起こすのと類似しています。死すべき感覚の知性がそれ自身の限界と破壊的な影響を自覚するようになり、宇宙的な生命力に個人のエゴを解き放つまでは、感情のアンバランスの一つ一つが自由な生命の流れを短縮し、肉体に損傷を与えるのです。




【解説】
 私達は日常、自分自身に対しても、また周囲の者に対しても自らの心の意思を押し通すことで如何に大きな悪影響を及ぼしているかを自覚しなければなりません。私達の地上でも生活はこれらの相互影響の下で行われている訳で、良くも悪くも相互に影響を与え、また同時に受けているのです。
 本項について言えば、その心の理解度が低い為に、多くのイザコザや意見の衝突が生じ、それが各自の身体状況にも影響を及ぼしているのです。その為、この状態が長く続くと身体細胞は悲鳴を上げ、急速な劣化・老化が生じてしまいます。
 結局、私達は何の為に生まれて来たのか、本来はその集大成とも言うべき老境である筈が、残念ながら実際には反対に、悪い要素・誤った要素だけが現実化した中で人生を送る事例も多いように思われてなりません。日々のわずかであっても、絶え間ない精進だけが未来を切り拓くカギであるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落138

138 Any emotional extreme disturbs the normal frequency action of the chemicals of the body. Excitement, whether it be caused by extreme joy or fear or anticipation, allows the normal amount of certain chemicals that go into the blood stream to be changed; thereby changing the normal action of the heart. This in turn affects the nervous system and the cells of the body and causes one to feel weak or ill.
138 如何なる感情の過度も肉体の諸化合物の正常な振動活動を妨げます。興奮はそれが歓び或いは恐怖、予感によって引き起こされるに係らず、血流に入るある種の化学物質の量に変化をもたらします。その結果、心臓の正常な動きを変化させるのです。この結果、それは神経系統が肉体の諸細胞に影響を与え、その者に疲労感や体調不良を感じさせます。



【解説】
 現代では人間が興奮状態になるとドーパミン等の化学物質が分泌され、それらが血液を通じて全身に拡がって身体各部に様々な作用をもたらすことが知られています。
 本項はこうした身体の機構について示唆すると同時に、過度な感情の高ぶりはその後の身体に悪い影響をもたらすことを警告しています。
 私達は自分の感情をより安定した状況に保つことの意義についてもう少し深く考える必要もあるでしょう。表層的な事象に振り回されて本来の目標を見失っている自我(エゴ)に何時までも引きずられてはならないのです。本来の私達は穏やかさの中にあって、心身がより柔軟に保たれ、その中を想念・印象が自由に駆け巡るような創造的状況を保つ必要があるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落137

137 Emotional balance maintained under all conditions is essential if one wishes to have lasting happiness and good health.
137 永続する幸せと健康状態を持とうとするなら、全ての状況の下で感情のバランスが保たれることは必須です。



【解説】
 逆に言えば私達は自らの感情を調和のとれた状態に保てないが故に多くの問題を抱え、身体の支障を背負って生きているのだという訳です。
 それほどに私達が日常抱く感情は私達自身にもまた、周囲の環境にも大きな影響を与えているということです。しかし、この感情という問題の解決には他人がどのような支援を与えようとしても、最終的に対峙するのは本人でしかありません。自ら蒔いた種を自らが刈り取っている訳ですが、少しでも多くの事例を学び、自分の中にある法則やメカニズムを学んでよりよい生活へとスタートを切ることが必要です。
 かつて多くの教師は人間の感情に関する制御について説いて来ましたし、どのような事態にあっても冷静に自分を見つめられることで、あらゆる困難に対処することが出来ます。感情が持つ大きな影響力を知り、その力を活用出来るようになる為には、まず、それらを統制することを学ぶ必要があるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落136

136 There is so much bickering over personal opinions, and what does it profit man? Nothing, for it is a consumer of time and energy. This does not mean that there should not be an intelligent discussion about a subject but when the mortal sense mind is quiet and receptive it can see the picture clearly.
136 各自の意見に対してあまりにも多くの口論が為されておりますが、それは人に何の利益をもたらすのでしょうか。何もありません。何故なら、それは時間とエネルギーの浪費であるからです。これはテーマに対する知的な議論をすべきでないと言うことではなく、死すべき感覚心が鎮まり受容的になる時、感覚心は情況をはっきり見ることが出来るということです。




【解説】
 とかく私達は相手と話す場合、自分の意見を如何に立派なもの、貴重なものに見せるかに努力する一方、相手の意見に寄り添うことはほとんどありません。ディベート等に及んでは、如何に相手を屈服させるかの争いにまでなっています。
 しかし、これらはいずれも本文に説かれているように時間もエネルギーも浪費するだけで真の発見は望むべくもありません。心と心のぶつかり合いのレベルだからです。
 私達にとって重要なことは、真実や解決策等、すべての答えは自分自身の意見からではなく、因から授けられるということに気付くことです。互いに自身の意見を披露することは良いことですが、実際の解決策はこれら会話の隙間、いわば心が空虚になった瞬間に印象が来る訳で、私達は心を常に空しくして置く必要があるのです。いたずらに表層だけの議論に加わることは貴重な機会を逸することに注意すべきことは間違いありません。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落135

135 All that man is in reality - is the thought that he is consciously aware of for the moment. Each moment follows the preceding moment and the key, if there be one, is to keep constant vigil over our reactions so that the next thought will be one that we can enjoy entertaining in our mental house.
135 現実における人の全ては、その人がその時、意識的に気付いている想念なのです。各瞬間はその前の瞬間の後を付き従っており、もしカギがあるとすれば、それはその次の想念が私達が自分達の心の家で楽しむことを可能とさせるものであるよう、私達の反応を絶えず見張り続けることです。


【解説】
 結局、感情というものは私達が身体に取り入れ、受容する想念であることを本項は示唆しています。次々に私達が抱く感情は私達が受容する想念の連鎖ということでもあるのです。
 この場合、どのようにすれば問題の感情制御が出来るかということですが、それは絶えず私達が次にどのような想念を取り込むのか、観察・監視することだと著者は私達に説いているのです。
 このことが重要であることが分かれば、それらの観察・監視は必ずしも端座沈想することよりも、日常生活を活発に行動しながらでも、刻々と自らに取り入れる想念・印象を観察し、好ましくない要素が入り込むことを防止することの方が効果的であることに気付きます。自らを望ましい想念の宿とすることが重要であり、感情をコントロールすることに繋がります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落134

134 The emotional force which rises in the mind when one's will is crossed by another's is very destructive for it draws the actor into a whirlpool of unbalanced action, and he is blinded to reality.
134 ある者の意志が他の者の意志と行き違いになった時、心に起こる感情の力はとても破壊的です。何故なら、それは役者をアンバランスな行動の渦の中に引き込み、その者は現実が見えなくなってしまうからです。



【解説】
 自分がよかれと思ったことが相手に受け入れられなかったり、他人から誤解されたりすると、私達地球人は容易に憤慨し、暴力的にさえなることがあります。それほど私達は感情の起伏が激しい困った存在だと言うことが出来ます。
 自らの感情を制御することは私達の最も基本的な命題であり、それを達成することがひいては戦争や傷害事件等の発生を抑制することにも繋がります。
 重要な点は私達自身、日常的にこれら不安定な感情に自らを左右されがちである事実をしっかり把握して、その暴走をコントロールする必要があることです。仏陀はこのことを何度も弟子達に語っていますし、沈想はその感情を抑制するための修行でもあるのです。昔、英語を習っていたあるキリスト教の米国人宣教師の家族の一人から、実は自分は「映画」を見ないと告げられたことがあります。何でも映画を見て「感情」を高ぶらせることは良くないと思っているということでした。当時は、変なことを言う人達だなあと思っていたのですが、日常的な感情のコントロールとはそういうことも含まれると今になって気がつく次第です。
 もちろん、感情のすべてが悪いという訳でもなく、本来の姿、宇宙の因からの印象の指令に対し、快く自らを開放し、その意思を自らの肉体全体で再現させるという、静かではあるものの、本来の姿に特化する必要があるのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落133

133 The everlasting spark of life which allows man to express as a form is never separated from Cosmic Cause; when man controls his mortal sense mind to think beyond apparent effects he begins to understand the purpose of life and gain a margin of emotional balance.
133 人を形あるものとして表現させる生命の永続する輝きは、決して宇宙的因から離れることはありません。人が自らの死すべき感覚心をコントロールして外観上の結果物の背後を考えさせる時、人は生命の目的を学びはじめ、感情のバランスの余裕を掴みはじめます。



【解説】
 結局、私達の身体は宇宙根源からの精緻なスパークとも言える想念・印象と同期することで自らの活動を維持できていることになりますが、肝心の私達の心は外観の変化や結果物に囚われている為、それらの背後にある”因”に気が付いていないということです。
 この場合、私達の心の役割・機能を深く考えれば、それはこの人体を具体的に行動させる原動力となるべきものであることが分かります。つまり、これら精緻な信号を人体を動かす為に必要なパワーにまで高めるいわば増幅器なのかも知れません。微細な信号を大きな音に変えるスピーカーアンプのようなイメージです。
 しかしその場合、増幅器の性能に安定さが欠けると音がひずんだり変調を来たして本来の音源信号を再現することは出来ません。私達の心(増幅器)の内部をバランス良く保ち、常に安定な状態を保つことではじめて本来の音源を現実世界に再現できるという訳です。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落132

132 Innately every human feels an ideal life that he is seeking to find but each individual wants this heaven to be according to his specifications. Many groups have started with high ideals but when the personal opinions prompted by the ego of some of its members have not been accepted the ideal was lost in the fog of emotional differences.
132 生まれつきあらゆる人は自分が見出したいと求めている理想的な生活を感じ取っていますが、個々人はこの天国が自分の明細仕様に従ったもので有って欲しいのです。多くのグループが高尚なアイデアを持ってスタートしましたが、そのメンバーの何人かのエゴによって促された個人的な意見が受け入れられない時には、その理想は感情の相違という霧の中に失われてしまいました。



【解説】
 多くの宗派が生まれ、互いに反目する話は、地上においては様々な分野で行われています。政治もそうですし、アダムスキー哲学の学習者にとっても十分に起こり得ることです。
 私達はとかく自我を満足させるよう行動し、意見を主張する訳ですが、それは互いに反発させることとなり、本来の融和的心情から離れ、各々独自の道を行くことになりかねません。
 もちろんそういう事態になれば、力を結集した社会への影響行使という側面も薄れますし、互いに協力し合わなければ旅も続けられないように思います。渡り鳥は集団で移動しますが、それは衆知を集め、外敵から身を守り確実に目的地に到着する上で必要なことではないかと考えています。一人で理想を求めて精進することももちろん大事です。しかし、更に他人と融和してともども本来の道を進むことは、その道程を確実なものとするだけに、はるかに貴重なものではないでしょうか。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落131

131 From the heavens comes the cause and power of creation and yet the earth, being the Father's footstool, it is the foundation upon which He stands. So instead of desiring to live elsewhere one should learn all there is to know concerning his present earth home and recognize it as a garden of beautiful, heavenly things, the actual garden of the Father.
131 諸々の天から因と創造の力がやって来ますが、それでも地球は父の足台であり、父が拠って立つ基礎です。ですから、何処か他の地に住みたいと願う代わりに、人は自分の現在の地上の家庭についての全てを学ぶべきであり、それを美しい天上の事物の庭、父の実際の庭として認識すべきなのです。



【解説】
 私達が何を目指して精進すべきか、2000年以上も前にイエスが私達に説いた訳ですが、今日の中東シリアの地の悲惨な状況を見ると、この間まったく私達の置かれた状況は変わらないどころか、悪くなっているように思います。
 宗教の名を借りて相手を滅ぼし、街を破壊することが平然と行われていることに、この星の問題が象徴されています。
 私達は一刻も早く正常な状態に戻す必要がありますが、宗教指導者がそれに邁進出来ないのであれば、実際既存の宗教の存在意義はありません。
 私達は再度、私達のものの見方、考え方を改め、本項で述べられているように宇宙からやって来る印象・想念を地上で発現・開花させる自らの役目を自覚する必要があります。その上で、本来の地上の楽園での生活を享受することであり、楽園を汚したり、浪費することではありません。まして破壊する等は、もってのほかの蛮行でしかありません。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落130

130 Neither heaven, the place of cause, nor earth, the place of effects, nor Jerusalem; symbolically used to represent the earth's inhabitants, can be called one greater than the other. These instructions were given against discriminating or calling one part better than the whole, Heaven and earth are not two but one, each expressing the other; man is no lesser for he is both, an integral part of the Whole. Divisions exist only in man's opinions when he calls one greater than the other, for in so doing he is judging and setting himself above the Creator.
130 因の場所である天も、結果の場所である地も、地球の住人達を代表させるべく象徴的に表現されたエルサレムもどれ一つ他のものより偉大だと見なすべきではありません。これらの訓戒は差別したり一部分が全体より優れていると見なすことに対して授けられ、天と地は二つの存在でなく一つであり、互いに他を表現しているのです。人は劣るものでなく、両方の存在、全体の統合された部分であるからです。区別は人が一方のものを他より、より優れたものとして見なす時の人の意見の中にのみ存在します。何故なら、そうすることによって人は裁きを行い、創造主より上位に自分を置いているからです。


【解説】
 "汝裁くな"という表現の中には本項で説かれているような深遠な意味があったことが分かります。良否・善悪を査定することは、そのままその者達より高い位置からの視点であり、本来私達被創造物が立つべき位置ではありません。
 ここで重要なのは、私達自身そして地上の全てのもの達が、結果としての状況はどうあれ、"因"と"結果"が融合した存在であることです。物質だけでは静止した状態のものですが、それに行動を与えるのは"因"からの指図によるからです。
 そういう意味では、あらゆる行動・活動は先ずは"因"と"結果物"が融合、共同した作用の中で行われるということでしょう。しかし、本来は創造的、芸術的な活動であるべきそのような行動が、人間の場合には多くが誤った方向に起こされるという実態がある訳です。
 何故、そのような事態になっているかについて、本章では章のタイトルにあるように私達自身の不安定な感情の問題に行き着くことが示唆されているのです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落129

129 In Matthew 5 :34-35 is the admonition against division plainly given: "But I say unto you, Swear not at all; neither by heaven; for it is God's throne; nor by the earth; for it is His footstool; neither by Jerusalem; for it is the city of the great King."
129 マタイ5:34-35には、この分割に対する訓戒が平易に授けられています。「しかし、私は貴方に言う、天にかけて誓ってはならない、それは神の王座であるからだ。また地にかけて誓ってはならない、それは神の足台であるからだ。またエルサレムにかけて誓ってはならない、それはその偉大な王の街であるからだ。」

【解説】
 私自身、現行のキリス教の聖書のこの部分の正式な解釈は知りません。しかし、本項で引用されているイエスの言葉は、何か私達がこれこそ私の信じる絶対的なものとして天も地も、更には現代の文明にも軸足を置いてはならないと諭したように思えてなりません。
 つまりは、どちらかを正しい、確実なもの、不動なものとすると、他のものは不安定、不確実という議論になりがちで、不動のものしか信じないという思考になるからです。
 本項では、このように世の中を良否の二元的なものと捉えることを戒めているのです。聖書の中でイエスは天も地も創造主のつらなった一体のものであり、社会自体も創造主の街であると説いており、どちらが優れているというような議論に陥らないよう戒めています。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落128

128 Teacher and students have made the mistake of separating heaven and earth and so have been carried from one false balance to another. The impersonal man will unite heaven and earth; will incorporate idealism and practicality; will bring the peace and beauty of the celestial into the concrete materialism of the earth. Anyone who cannot live a happy useful life here in the present world will find it no easier in another world. The Father, by whose breath we live, has but one Law that governs all things. He created this planet as He created all others, and the same principle directs its action. All worlds in the cosmos are alike in principle and to one who lives according to the Law there is no division of perfection.
128 教師と生徒達は天と地とを分離するという過ちを犯しており、その為に一つの誤ったバランスからもう一つの誤ったバランスに運ばれているのです。非個人的な人は天と地を結びつけますし、理想主義と実践主義を結合させ、天上の平安と美しさを地上の確固たる物質主義の中に注入します。現在の世界で幸せで有意義な生涯を送ることが出来ない者は誰一人、他の世界でも決して容易ではないでしょう。私達がその息で生きる父は全てのものを統括する一つの法を持っています。神はその他の惑星と同様にこの惑星を創造し、それと同じ法則が法則の行動を指揮しています。宇宙のあらゆる世界は原理において同様であり、その法則に従って生きている者にとって、完全さに何らの分裂はありません。




【解説】
 確かにこれまで学んで来たことを振り返るなら、私達は宇宙を支える"法則"である"因"と称される原理にこそ軸足を置くように本講座から指導を受けて来ました。その原理も一たび物質の世界に現れると、結果物として時間や空間の制約の中に生きることは避けられないことも学びました。
 このように物質の世界には変遷があり、不安定な状況にあることは間違いありません。しかし私達はこの"因"と"結果の世界"をそのように分離して捉えることは誤りであることを本項は説いています。即ち、もちろん"因"こそが重要なのですが、この私達が暮らしている物質の世界、結果の世界こそが"因"が発現している具体的な姿、創造作品であるのです。
 たとえどのような状況であろうとも、"因"の発現には違いなく、その中に生きる私達は自らの世界を非難し、裁くことは本来の姿勢ではありません。相手を非難するだけでは問題解決にはつながりません。何よりも相手に本来の姿を気付かせる為に、惜しみない愛情や受容的姿勢が必要だからです。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章-段落127

127 We find that students who have studied under one teacher or another are very confused and living in a state of dissatisfaction concerning the world they must call home. They are looking to the day when they will be privileged to become the inhabitant of another planet. They can see no beauty in this world, being conscious only of the pain and misery which exists.
127 私達はある一、二の教師の下に学んできた生徒達が大変混乱していて、自分達が我が家と呼ばなければならない世界に関して不満足な状況の中で暮らしていることに気付きます。彼らは自分達が他の惑星の住人になれる日を待ち望んでいます。彼らはこの世界に何らの美しさを見ることは出来ず、そこにある苦痛や悲惨さのみを意識しているのです。


【解説】
 私達誰もが「同乗記」の中でアダムスキー氏が伝えた他惑星人の生活と地球の私達の日常とがかくも大きな隔たりがあることに驚くものです。私達は他惑星の人達の生活ぶりに憧れる一方で、自らの日常が抱える問題ばかり注目しがちです。
 これまでの多くの人達がアダムスキー氏の著作を読み、他惑星人の生活に感動したものと思われます。しかしその内かなりな割合の人達は途中で興味を失って旧来の日常に戻ったり、地上の問題ばかりを注視するあまり、非難するだけの姿勢に陥りやすいのが現実かも知れません。
 本項は当時も同様な、あるいは当事国としては更に大きな規模で問題が起こっていたことを示唆するものと思われます。もちろん、偽宇宙人も多く居たことでしょうし、それらの状況を著者アダムスキー氏は良く承知していたものと思われます。
 今日振り返ると、他惑星から地球に支援活動に入る際には必ず偽者による妨害や未熟な教師、生徒による誤解も多く発生していたものと考えます。
 私達は自ら考え、自分に必要な事柄は何かを常に着目して、事柄の本質を見極める視点が必要であり、自分達が暮らす地上の中にある本来の美と調和を学ぶことがまず必要であり、現実は自らが播いた種がもたらした結果であることを悟らねばなりません。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」第12章ー段落126

12 EMOTIONAL BALANCE
126 As we all know there is a great unrest all over the world. The conditions existing in the national, home, and personal life all display quite clearly the loss of equilibrium which now exists. Each individual feels the need for security and the people of the earth are demanding something that will bring about more stable conditions. The desire for equality and balance and some feeling of assurance have caused some people to return to the churches and many to follow the teachers who profess to know all of the answers concerning the new dispensation. Unfortunately there are extremely few individuals who are equipped with this type of knowledge.
第12章 感情のバランス
126 私達全てが知っているように、世界中を大きな不安が覆っています。国家や家庭そして各人の生活の状況は皆、明らかに今や均衡を全く失っている事態を示しており、実際そうなっています。各自は安心の必要性を感じており、地球の人々はより安定な状況をもたらすものを求めています。公平さやバランス、そして確かさの幾分かの感じへの願望は人々を教会に立ち戻し、また多くの者をその新たな摂理に関する全ての答えを知っていると称する教師達に従わせています。しかし、残念なことにこの種の知識を備えている者は極めて少ないのです。

【解説】
 この書が執筆された1961年当時、既に地球社会は戦後再びの変動時期を迎えます。最近もNHKの「映像の世紀」という番組でその後のベトナム戦争やその反戦運動等の多くの社会運動、更には旧来の社会主義への反旗等々、その状況を見ることが出来ました。
 著者は当時の一連の不安材料に対して、それに助言すべき教師、聖職者が十分な知識を持っていないことを指摘しています。結局は暴力に走ることになってしまう現状の奥には本章で学ぶ私達自身の「感情のバランス」問題があるように思われます。
 怒りや憎しみが社会環境を変革するとは、本講座では決して説くものではありません。怒りは再び相手の怒りを生み出し、問題をエスカレートさせるだけです。
 本章で私達は自らの行動の原動力とも言える「感情」について常にバランスを保つことを学ぶことになります。もちろんその成果は日々の各自の生活の中に次第に表れてくるものと思われます。調和に至る道程は真っ先に取り組むべき課題です。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」 第12章-段落139

139 This change is similar to a high precision motor that causes a frictional deterioration on all of its parts when it is not properly synchronized. Each emotional unbalance curtails the free life flow and causes damage to the body, until the mortal sense intelligence comes to the realization of its limited and destructive influence and releases its personal ego to the Cosmic Life Force.
139 この変化は高精密なモーターが適切に同期が取られていないと、その全ての部品に磨耗を引き起こすのと類似しています。死すべき感覚の知性がそれ自身の限界と破壊的な影響を自覚するようになり、宇宙的な生命力に個人のエゴを解き放つまでは、感情のアンバランスの一つ一つが自由な生命の流れを短縮し、肉体に損傷を与えるのです。


【解説】
 人体は精密な機械に例えられるという訳です。感情のバランスが保たれなければ、人体各部に摩擦や不調和を引き起こし、ひいては人体の寿命を縮めることになります。
 時代の進歩とともに、人間の平均寿命も伸びていますので、少なからず、この文明はより良い方向に進みつつあるようですが、個々に見ると未だ課題も多いように思われます。
 その一つがエゴに対する認識です。科学の進歩により、病気への対策技術や身体維持のための科学的知見は増え続けており、衛生状態の向上と相まって長寿命化を実現させて来ました。しかし、肝心の想念レベルになると課題は山積しています。所詮、エゴには限界があることや、全体至上の創造的原理についての理解は未だ不十分です。これらを克服した後、初めて天上の慶びを得ることが出来ることになります。

ジョージ・アダムスキー「宇宙哲学」 第12章-段落138

138 Any emotional extreme disturbs the normal frequency action of the chemicals of the body. Excitement, whether it be caused by extreme joy or fear or anticipation, allows the normal amount of certain chemicals that go into the blood stream to be changed; thereby changing the normal action of the heart. This in turn affects the nervous system and the cells of the body and causes one to feel weak or ill.
138 如何なる感情の過度も肉体の諸化合物の正常な振動活動を妨げます。興奮はそれが歓び或いは恐怖、予感によって引き起こされるに係らず、血流に入るある種の化学物質の量に変化をもたらします。その結果、心臓の正常な動きを変化させるのです。この結果、それは神経系統が肉体の諸細胞に影響を与え、その者に疲労感や体調不良を感じさせます。


【解説】
 如何なる事態に遭遇しようとも、落ち着いた対応をとれることが人物的な価値の物差しになる筈です。危機管理の基本は冷静さを保ち、全体を見通して必要な決断を迅速に出すことにありますが、指示をすべき本人が恐怖心に自らを奪われては、こうした冷静な対応は出来ません。
 その人の肉体をコントロールしているのは、その人の心であり、抱く想念であることは前項(135)で学んだ事項です。その理由は想念が具体的には各肉体細胞に作用して不順な代謝作用を促すため、肉体はその影響を受け、各器官が異常な活動状態に陥り、体内にアンバランスを生じるという訳です。
 心が不安定であるということは、絶えずこのように肉体を自ら痛めつけることが日常的に行われる結果、不健康になったり、老化を早めたりすることになるのでしょう。長生きの秘訣には、いつも楽しい想念を抱き、物事に興味を持って探究心を忘れないことがあると思いますが、それに通じる内容となっています。
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