2015年05月

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落327

327 Let us digress for a moment and discuss hypnotism briefly. Much publicity has been given lately to the practice of hypnotism for the purpose of recalling past lives. Many believe that by using this means, they can send the subconscious back to read the Book of Memory. But what does hypnotism really do?
327 少しの間、脇道に入って催眠術について簡単に議論しましょう。最近では過去生を思い起こす目的による催眠術の実施について多くの宣伝がなされています。多くの人々がこの手法を用いることで、潜在意識を記憶の書を読みに送り出すことが出来ると信じています。しかし、催眠術は実際には何を行っているのでしょうか。



【解説】
 本講座の先々の文章を読んで行けば分かることですが、著者アダムスキー氏は催眠術はテレパシー能力の開発にとって、無意味どころか大変危険であると警告していることに注意すべきです。決してゲームのようなものではなく、その得られる情報も術者から与えられることも多く、疑わしいということでしょう。
 本書が執筆された当時、米国各地ではまだ、催眠術が盛んに行われていたものと思われます。日本でもエドガー・ケーシー(1877-1945)の話は良く知られていますが、本項以降の記述はそれらに対する注意点が述べられています。
 とかく私達は目先の「成果」を求めたがる訳ですが、安直に自らの意思を捨てて、他人に自分の心を委ねるのは危険が多すぎるとしています。また、本項のような自分の過去生の記憶は本来、必要な時によみがえれば良く、大概の人の場合にはさほど思い出したくない人生であった可能性も高い訳で、興味本位に求めることについては注意したいところです。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落326

326 We have called this accumulated data .... memory. And the Universal Memory is compiled from all individualized memories. So it is quite plausible to assume that a true sensitive, or one who is alerted to all phases of life, can recall the events of ten thousand years past, just as readily as he is able to recall the events of his childhood. By carefully observing the trend of sequences, he can predict what will take place fifty years from today from a careful evaluation of past events. The law of relativity demands certain results, or actions of balance, which are determined by the original motion
326 私達はこの蓄積されたデータを記憶と呼んでいます。そして宇宙的記憶は全ての個別の記憶から編纂されています。ですから、真に敏感な人、即ち全ての生命の側面に対し鋭敏な者は、あたかもいつでも自分の子供時代の出来事を思い出すことが出来るように、過去1万年の出来事を思い出すことが出来るとするのは、極めてもっともなことなのです。過去の一連の出来事の傾向を注意深く観察することによって、その者は今日から50年後に何が起るかを予想出来るのです。相関性の法則はそのもともとの運動によって決定づけられたある種の結果、即ちバランスの行動を要求するからです。


【解説】
 宇宙空間に残るこのような印象の記録は宇宙的記憶とも呼べるもので、もし私達がそれを感知出来るようになれば、過去1万年もの歴史を紐解くことが出来るという訳です。
 私達の惑星は自ら何も語る訳ではありませんが、その上で行われた様々な行為は深く体内に記憶をとどめているということでしょう。当然、想念は発現力を持つ訳で、惑星全体としてもどのような方向に進むのか、これら想念の総体から決まって来るものと思われます。
 記憶というものは、これら一つ一つの想念波動のデータの集まりであると著者は私達に説いている訳で、物事全てを振動の合成で説明しようとする数学のフーリエ解析もこれに近い考え方のように思われ、真理を突いた数学理論かと思っています。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落325

325 Science has discarded the idea that universal ethers are a fixed standard of space, being absolutely motionless: and they now admit that nothing in the universe is entirely at rest. The units composing ether are in constant motion, as are the units of matter; and all are stirred by the same element of animation that gives impetus to thought. Just as each action within the human form leaves its impression upon the body cells, so every action that takes place in the universe leaves an impression, upon the cells of ether - not as a form-picture, but as a frequency.
325 科学は宇宙空間のエーテルが全く動きのない固定化した宇宙の基本単位であるとする概念を捨て去って来ました。そして彼らは今や、宇宙には何一つとして完全に静止したものはないことを認めています。エーテルを構成している各単位は物質の各単位がそうであるように、常に活動の状態にあります。そして全ては想念に衝動を与えるのと同じ要素によって揺り動かされています。丁度、人体の内側の個々の活動がその印象を肉体細胞に残すように、宇宙空間で起るあらゆる活動はエーテルの細胞単位に印象を残すのです。それは形のイメージではなく、振動としてです。



【解説】
 本書が執筆された当時、宇宙空間、即ち大気の上層領域を示す用語として広く「エーテル」という言葉が使われていたようですが、電磁波を伝える媒体を示す用語でもあったようです。いずれにせよ、宇宙空間に存在するガス状物質を示す概念ということになります。
 ここで注目したいのは、著者が、何らかの活動はその足跡として人体その他あらゆる所にその振動を残すということです。全ての行動が物質にその行動に特有の振動を与えるという訳ですが、これは物質の本源である原子の振動に影響を及ぼすことに繋がります。
 即ち、良好な振動はその後永らくその原子を良好な振動状態に保つことでしょうし、もし自然法則に逆行した振動を与えた場合には原子の振動はやがて衰退するような事態に陥ることが想像されます。良質な想念・印象を生み出す行動が貴重という訳です。

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2015年5月25日
竹島 正

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落324

324 These same thought frequencies were intercepted by innumerable people, but because they did not recognize any of the participants they discarded them as being meaningless. This is further proof of the fact that it is not the pretentious front we show to the world that is of lasting importance, but it is the inner man who is the true expressor. To those around us we may appear a paragon of honesty, but if we harbor dishonest thoughts in our minds they can be intercepted at any time, thus unmasking us before the world. Truth has a way of revealing itself; for whether we like it or not, our thoughts belong to the universe.
324 これら同じ想念波動は無数の人々によって捕えられましたが、それらの人々にとって自分の関係者のものとは思わなかった為に、意味がないものとして捨て去っていたのです。このことは永く重要性を持つのは私達が世間に示す見せ掛けの前面ではなく、真の表現者である人間の内側であるという更なる証拠です。私達の周囲にいる人々にとって私達は誠実の模範のように見えるかも知れませんが、もし私達が不誠実な想念を心の中に抱くなら、それらは何時でも捉えられ、私達の正体を世間に暴露することになるのです。真実は自ら現れる道を持っています。何故なら私達が好む好まないにかかわらず、私達の想念は宇宙のものだからです。

【解説】
 本文にある印象的な表現は、最後の「想念は宇宙のもの」というところです。
 私達自身、自分のものは実は何一つ無いというところに気付く必要があります。私達の肉体は元をただせば地上にある諸元素が全てであり、血液も肉体も骨もそれらが元となって出来上がっています。即ち、肉体は自分のものでなく、本来地球に属するものを一時的に借り受けたものに過ぎません。
 一方、それでは私達の発する想念はどうかという訳ですが、実はそれも本項では宇宙に属すると述べているのです。私達の心が勝手に造り上げたと思いがちですが、その想念も本来、宇宙のものと言っているのです。
 それ故、私達は肉体や想念活動も含め、全てが宇宙空間に属するものということになり、もし「私達」という独自な存在が存続するということであれば、それも宇宙に属するということになります。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落323

323 This experience was a case of unintentional telepathy. Certainly, the manager had no intention of broadcasting his dishonest thoughts; and undoubtedly believed them carefully guarded from the world. Because of his perfect assurance in the integrity of the man he had left in charge, the head of the firm, the person most closely concerned in the affair, was not receptive to the thoughts of mismanagement. But I, who was receptive to all thought vibrations in an impersonal way, received the thought. As it came to my mind, I recognized it was pertaining to my friend, and thereby saved him much future difficulty.
323 この体験は非意図的テレパシーの一例でした。確かにその支配人は自分の不誠実な意図を広めようとするような意志は全く無かった訳であり、疑いなくそれらを世間から注意深く隠していたものと思われます。その友人が会社の首脳として後に残したその人物の持つ有能さに完全な確信を持っていたため、そのことに最も高い関心を持っていたその人物は、その経営の失敗についての想念を受容出来なかったのです。しかし、非個人的になって全ての想念波動に受容的であった私は、その想念を受信しました。それが私の心に来た時、私はそれが私の友人に関係していることに気付き、そうして彼を将来のより大きな困難から救ったのです。



【解説】
 何事も想念・印象の世界では隠し事は出来ない訳です。地球では考えにくいことですが、他人が何を考えているか、誰にでも直ちに分かってしまうのが、他の進化した惑星では極く当たり前のことなのでしょう。
 その結果、これらの惑星では地球人のような進歩の遅れた者が暮らすことは容易ではないように思われます。他の人々は何ら不自由なく想念での意思交流を行い、優れた洞察力を持っているのに対し、私達地球人は言語や文字に頼っている為、そのギャップは苦痛になるほどです。
 一方で、他惑星人が地球で暮らす場合は、逆な意味で苦痛に感じるかも知れません。本事例のように相手をだますとか、餌食を探す者達の想念や被害者の悲嘆と数多く巡り合うことになるからです。しかし、そのような中にあっても人々を導き、支援活動を行う彼らはより高い波動を保つことが出来ている所が、素晴らしいということになります。
 無欲の心境、何ものにもとらわれない心境こそ、テレパシー能力の土台です。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落322

322 However, I received the impression that the manager was planning to gain control of the business and defraud the owner of his holdings. I conveyed this information to my friend, and although doubting its veracity, he started a quiet investigation into the company's affairs. The report he received carried overwhelming confirmation of these conditions, just as I had revealed them. My friend returned east immediately and took the necessary steps to protect his interests and regain control of the company.
322 しかしながら、私はその支配人が事業をコントロールし、オーナーの保有財産を騙し取ろうと計画しているという印象を受けました。私はこの情報をその私の友人に伝え、またその真実性を疑いながらも彼は会社の内状について隠密裏の調査を開始しました。彼が受け取った報告書にはこれらの状況を確信させる膨大な証拠を伝えており、私が明らかにした通りでした。私の友人はただちに東部に戻り、自分の財産と会社の支配権を取り戻す為、必要な措置をとったのでした。


【解説】
 具体的な状況を見たこともなく、聞いたことがなくても、即ち肉体の経験が全く無い場合でも、想念・印象さえ感知出来れば、現在進行中の状況は手に取るように感じられるという訳です。
 私達は自分が受けた印象・想念を大切にすることが非常に重要で、全ての問題解決にその原因究明過程で、私達は既存の事実だけでなく、背景にある状況について自らの感性で探り、印象を感知するよう心掛けることが必要です。
 この場合、アダムスキー氏は自分の得た印象を相談者の為に必要な情報として相手に伝えた訳であり、その結果、相手は被害に逢わずに済んだ訳で、相談者からは大いに感謝されたものと思われます。本来、私達が開発するテレパシー能力の活用の一例として著者は本項を示しているのです。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落321

321 An example of this occurred involving an acquaintance of mine who was the head of a large concern in the east. Wanting to make his home in the western part of the country, this man had left his business in the hands of a capable and apparently trustworthy manager; who also happened to be a large stockholder in the company. Except for the annual reports, and occasional correspondence between the two, the head of the company was not worried with the operational arrangements of the business, for he had utmost confidence in his manager's ability and honesty.  I knew that my friend's interest lay in the east, but at that time, I was not familiar with the managerial details.
321 このことの一例が、東部(訳注:米国東部)における大きな仕事の社長であった私の知人の一人について起りました。西部に自分の家を持ちたいと思っていたこの人物は自分のビジネスを有能で見掛け上も信頼出来そうな支配人の手に委ねたのです。その支配人はまた、たまたまその会社の大株主にもなったのです。年間報告や二人の間の時々の連絡を除けば、その会社の社長は事業の運営手はずについて心配はありませんでした。彼は自分の支配人の能力と誠実さには絶大な確信を持っていたからです。私は私の友人の関心が東部にあることは知っていましたし、その頃、私はその経営上の詳細についてよく知りませんでした。



【解説】
 アダムスキー氏は塗装業で成功していたとされており、その後、夢にイエスが現れてからは、それまでのビジネスを断念し、哲学・宗教の活動に専念するようになったとされています。
 その結果、コンタクト以前から、Royal Orderをはじめ様々な形態の下に自らの啓蒙活動を行っており、そのような中に本事例もあったと思われます。
 この場合、相談者は支配人に絶大な信頼を寄せており、実は当初、その支配人も誠実な仕事振りであったことが想定されます。しかし、問題は人間の心は変わりやすいもの、取り分け地球人の心のレベルは様々な誘惑に弱いものであることです。得られる利益を前に長年自分を信頼してくれた人を裏切ってしまうような下劣な心境をもたらすような想念も世の中には数多く漂っています。
 そのような低レベルの想念に犯される危険性があるというのが、本文を読んだ際の感想です。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落320

320 The greatest minds in the world today will not deny that all phenomena is the result of action. Here, we are dealing with that particular invisible vibration called thought, which, like light, travels out from its point of projection in millions of straight lines in all directions. There are billions upon billions of thought actions taking place in the universe. Like light, their vibratory radiation is a constant thing; traveling at a definite rate which never varies. These vibratory rays traveling through space at a certain speed will, according to the law of accuracy, contact or cross each other at a given point: producing predictable results. Anyone who has learned to turn his awareness to the state of universal interest, can consciously perceive these vibrations contacting; and from the reactions produced, can foretell the outcome before these actions have become visible to the recognized channels of sense.
320 今日、世の中の最も偉大な心を持つ者達は、全ての現象は行動の結果であることを否定しないでしょう。ここでは私達は想念と呼ばれる特別な、目に見えない振動を取扱っており、その振動は光のように放射のポイントから全方向に何百万もの直線として旅出ています。宇宙空間では何十億の何十億倍もの想念活動が起っています。光のようにそれらの振動する放射線は一定に動きます。決して変わることのない一定速度で進行しているのです。宇宙を通して旅するこれら振動する放射線は正確さの法則に従って、互いに与えられた地点で接触し、互いに交差することでしょう。そして予想可能な結果をもたらすのです。誰でも自らの気付きを宇宙的な関心の状態に転換することを学んだ者は、意識的にこれら振動が互いに接触しているのを知覚出来、その際作り出される反応から、これらの活動が認識された感覚の経路に見えるようになる前に、その事態を予見することが出来るのです。



【解説】
 あらゆる現象はそれが現実世界に生じる為には、その原因となる活動が先行して成される必要があります。想念波は一たび放出されるや、宇宙空間をくまなく放射する波動となって空間に拡がり、やがては他の想念波に出逢って力を増したり、状況を変えることもあるでしょう。
 そして、それらがその波動の持つ作用を発揮する条件の下に到達すると、具体的な創造作用が現実化するものと思われます。その現実化は想念波の持つイメージと同じものである以上、想念波の段階で内容を知覚出来れば、物事が現実化する前に完成後の姿をイメージ出来ることになります。熟する前にリンゴを味わう等々の事例はこれまでにも説明されているところです。
 よく建築家が設計図の段階で完成後の建物をイメージ出来るように、想念が未来の設計図である以上、想念波を知覚出来れば未来の姿をイメージ出来ることになります。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落319

319 You may consider the illustration meaningless, because in the case of piercing space with the telescope to discern material objects we are looking upon something that has already happened, or upon manifestations that have already taken form. But how can we foresee that which has not yet taken place? It may even seem that we are in contradiction to the law of Cause and Effect; for we are seeing the effect before the cause has produced it. But is this true?
319 貴方はこの説明は意味をなさないとお考えになるかも知れません。何故なら、望遠鏡で物体を見つけようと宇宙を貫いて見ようとする場合、私達は既に起ったものや既に形を持った創造物について見ていることになるからです。しかし、未だ起っていないものをどのようにして予知出来るのでしょうか。それは私達が原因と結果の法則とは矛盾しているように見えるかも知れません。何故なら、私達は因が作り出す前にその結果を見ているからです。しかし、これは本当でしょうか?



【解説】
 時空の空間を旅することは、実は様々に飛び交い事物の生成の源となる想念の海を旅することでもあるのでしょう。その為に中にはこれから生じようとしている事物のイメージも把握することも多いものと思われます。
 このように実際には私達が宇宙空間に出る際には、強烈に作用する想念イメージを目撃することになるものと思います。それが多くの宇宙飛行士達が自らの宇宙体験の中で精神的な飛躍を遂げる原因であろうと思います。
 宇宙空間の中には、万物創造の働きが地上の場合に比べより強く現れるのではないかと考えています。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落318

318 We ordinarily think of space as the distance between given objects, and of time as the intermission between acts. But space and time cannot rightly be separated - for they are twin infinities. We are quite correct in saying that time is the distance between events. When we consciously perceive forthcoming events, we are traveling in time, just as surely as we are traveling through space when we perceive hitherto unseen stars and nebulae through the telescope. In either case, we have expanded our vision by eliminating the time-space bug-a-boo.
318 私達は普通、空間を与えられた対象物の間の距離であると考えていますし、時間については行為の間の中休みと考えています。しかし、宇宙空間と時間ははっきりと分離は出来ません。何故なら、それらは対の無限物であるからです。私達が時間を出来事の間の距離であると言うことは全く正しいのです。私達がやがて来る出来事を意識的に知覚する時、私達は丁度、宇宙空間を旅して、今まで知られていなかった星々や星雲を望遠鏡を通して知覚するのと同じです。いずれの場合も私達は時空のお化けを取り払うことで、自分達の視界を拡げたのです。


【解説】
 本項で大事なところは、「時空」と呼ばれるように、時間と空間とは本来、切り離すことが出来ない「対」になった概念であるということです。即ち、時間と空間は同じ種類の座標軸空間の中にあるという訳です。端的に言えば時間を遡るのも、距離を遡るのも同じであり、未来を予知するのも、今後起こり得る未来の姿を望遠鏡で先を見るのと似ているということです。
 これまで私達は距離や時間は絶対的なもの、不変かつ確実なものとして来ました。しかしそれは物質世界の中でのことであり、精神世界の中で重要となる記憶や概念、アイデアの世界では、時間も空間も同じ要素に属するものではないでしょうか。それ故、急に鮮やかに記憶がよみがえったり、遠い場所の映像が目に飛び込んで来たり、私達の意識の世界には時空にとらわれない自由な活動があります。
 もし、私達の日常が時空の制限にとらわれず、自由に想念・印象が飛び交う精神生活になれば、疲れを知らない充実した人生になることは間違いありません。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落317

317 We know that by ascending to a higher elevation we are able to overcome the illusion of space limitation to some degree. Even a small rise will broaden our horizons, and the view we have from the high mountain top seems unlimited compared to that which we had from the valley. When man turned his eyes toward the stars, he realized he must build instruments to aid him to view them more closely. So in his efforts to see ever farther into the universe, he invented and developed the telescope. But our scientists are aware that any instrument built by man is limited. It must be with a feeling of frustration that astronomers view the heavens; knowing that beyond the detection of their finest telescopes lies galaxy after galaxy, stretching into eternity. But once man consciously accepts his oneness with Cosmic Cause, the Cardinal Sense within him (the feeling element), is free to roam the universe at will.
317 私達はより高く昇ることにより、ある程度、空間の限界の幻影を克服できることを知っています。わずかな上昇でも私達の視野を広げますし、高い山の頂上から見る景色は私達が谷間から見る景色と比べて無限の拡がりのように思えます。人が星々に目をやる時、人は自分はより近くにそれらを見るのを助けるための装置を建設すべきだと自覚しました。そこで宇宙空間の更に遠くを見ようとする努力の中、人は望遠鏡を発明し、開発しました。しかし、科学者達はどんなものにせよ、人間によって作られた装置には限界があることに気付いています。天文学者達はある種不満気な気分で天空を眺めていることでしょう。彼らの最も精密な望遠鏡の探知範囲の先には銀河に次ぐ銀河が無限に続いて存在することを知っているからです。しかし、ひとたび人が自分と宇宙の因が一体であることを意識して受け入れるや、人の中にある基本感覚(フィーリングの要素)は自由に宇宙空間を歩き回ることが出来ます。



【解説】
 既存の社会環境の中、既存の感覚器官に依存した生活をしている私達は、これまで自ら設定して来た狭い概念の範囲の中で暮らして来ました。
 それに対し、著者は私達が宇宙根源なる因と一体になることで、これらの幻影が消え去り、広大な宇宙の中に自由に生きることが出来ると説いています。おそらくは著者自身がテレパシー能力を開発する過程の中で、自ら身に付けた真理かと思われます。
 宇宙の因と一体になることこそが、テレパシー開発の最終目的であり、私達がそれを達成した後は、自由に宇宙空間を探求するようなことも出来ることになるのでしょう。
 宇宙の広大さは、肉眼で夜空を一瞥しただけでは分かりません。望遠鏡を覗いても無数の星々が更に現れ、その先の宇宙空間に浮かぶ無数の天体の存在を示しており、どこまでの広がる宇宙の広さに驚くばかりです。その広大な宇宙が私達自身と繋がっているという実感こそ、大切にしなければなりません。

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2015年5月12日
竹島 正

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落316

316 This geometric pattern of magnetic and electric rays is the cause of all manifestation. So, inasmuch as the human is capable of perceiving these vibrations consciously, there is only the necessity of overcoming the illusion of time-space interference in order to foresee future events-or look back on past happenings.
316 この磁気的及び電気的な放射線の幾何学パターンは全ての創造作用をもたらす因なのです。ですから、人間がこれらの振動を意識して知覚することが出来る限りは、未来の出来事を予知したり、過去の事件を回顧する上で必要なのは、時空の幻影の妨害を克服することが必要なだけです。

【解説】
 ここでの注目点は想念には幾何学的パターン(模様)があるという所でしょう。著者は具体的には明かしていませんが、思い浮かぶのは同乗記の中で記されている宇宙船の内部にあったパネルに様々なパターンが自動的に描かれていたことです。
 実は同様なパターンは現在ではパソコンの音声再生ソフトの中にも現れていることは多くの読者がご存知のことと思います。これは音声波動を変動する2次元のパターン図形で表現するものですが、同様なことが想念にも当てはまるという訳です。
 もう一つの注目箇所は「時空の幻影」という表現です。私達はこれまで時間と空間に縛られて来ました。日常生活における時刻に従った行動、納期や期限に追われる仕事等々です。また空間についても同様に、物質に束縛された世界に私達は生きて来ました。
 これに対して、著者はこれら「時空」は幻影であり、実在しないとまで説いているのです。即ち、逆に言えばこれら時間や物質は実体の意味を持たないものとも言い換えられるでしょう。それでは何が実体があることになるかについて考えなければなりません。本文では明確には表現されていませんが、実は想念・印象こそが実体のあるものであり、他派幻影であると説かれているように思われます。永続する真理は想念・印象の側にあることを著者は示唆しているのです。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落315

315 Let us imagine the universe as an infinite expanse of space-force in a passive state of activity, denoting a condition of calmness. Every positive, or aggressive motion within that calm sea of space-force will produce an impulse, or vibration, throughout the whole span of the universe. And as every impulse, whether of light of thought vibration, will continue traveling through space until it has dissipated its energy either through friction, or has transmuted it by contact, when we introduce the time element we can understand that at some time practically every ray will contact every other ray in the universe.
315 宇宙空間を静けさを象徴する受動的な活動状況の中にある宇宙的力の無限の拡がりとして想像して見ましょう。その静かな宇宙的力の海の中では、あらゆる肯定的あるいは積極的な運動は一つの衝撃あるいは振動を宇宙空間全体にわたって作り出します。そして各々のインパルスはそれが想念振動の光であろうと、摩擦でそのエネルギーを消散するか、接触によって改質されない限り、宇宙空間を進み続けることでしょうし、私達が時間的要素を取り入れるなら、私達はいつの日にか、あらゆる放射線は宇宙空間で他の放射線と接触するだろうことは分かります。

【解説】
 本項で私達が着目しなければならないことは、著者は空間を私達が発する衝動の波である想念・印象が作用する「場」であるとしていることです。
 私達の周辺から宇宙深く広がっている空間は、それ自体が積極的に何かを私達にもたらすことはないように思われます。常に受身であり、創造を求める波動に対し、それに沿った形を作り出すという、いわば静的なもの(本文でいう"passive state")であるということです。実はこの点が重要で、私達が日常何気なく発し続けている想念が、実は周囲の空間に作用し、それら想念がイメージしているものを現実化する機能が常に働いているということです。
 宇宙空間に広がっていくこの想念波動はまた他の想念波動と出会い、共鳴して、より強固な作用を果たすということも大切です。一人一人の想いが世界を作り上げるということでもあるからです。
 私達はこれら自らの想いがもたらす影響にこそ畏れるべきで、努めて穏やかに明るい心境を日頃から育むことが重要になります。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」第3部第3章-段落314

314 To understand how this can be accomplished, we must remember that feeling is the channel of perception. For regardless of how refined the organs of sight may become, they cannot possibly receive the image of anything that is not yet a concrete manifestation; yet, because the blueprint, or plan for all manifestation is drawn in advance, such information is obtainable. In the case of true clairvoyance, the personal ego must be controlled by an impartial interest in Cosmic Cause. The only limitation placed upon knowledge, is that put there by the personal, or particularized consciousness.
314 このことがどのようにして達成されるかを理解するには、私達はフィーリングが知覚の経路であることを思い出さなければなりません。何故なら、如何に純化しようとも、視覚は未だ確かな創造物となっていないもののイメージを受け取ることは出来ないからです。しかし、あらゆる創造の青写真或いは計画は先立って描かれていますので、これらの情報は入手可能なのです。真実の透視の場合、エゴは宇宙の因についての隔てのない非個人的なる関心によってコントロールされねばなりません。知識に置かれた唯一の制限は、その個人的或いは特殊化された意識によってそこに置かれた制限でしかありません。


【解説】
 私達が磨かなければならないのは、視覚や聴覚その他の既存の4つの感覚ではないということが重要です。本項で記されている「フィーリング」という径路、即ち想念・印象を感受する径路こそ、もっぱら育成する必要があるのです。
 この「感覚」は何処に主要な感覚器官があるというものではなく、全身の細胞が各々それらを感受出来るといういわば、全身がその器官となる訳です。想念・印象はこれら細胞がキャッチし、それらの情報はやがて心にまで届くよう、身体を整えることが必要です。
 このいわば、新しい感覚・感性は人間よりも、他の生きものの方が数段、勝っており、彼らは日常生活に活用しているのです。
 このように本来、創造物の頂点に位置する人間だけが劣っている訳は、本文後半に記されているように、私達の個人として培って来たもの、自我こそが妨げの要因だと説明されています。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」 第3部第3章-段落313

CHAPTER Ⅲ
Clairvoyance, Clairaudience, Premonitions, Etc.
313 Through ignorance, man has endowed clairvoyance, clairaudience, the ability to foresee future events, etc , with mystical, unknowable powers. We are inclined to view with awe that person whose hunches are invariably right, and attribute this ability to a mysterious extrasensory origin. But the use of any or all of these, whether consciously or unconsciously, is merely perception, or alertness, working in the individual. This is true not only in regard to personal affairs, but this perception can also encompass universal conditions.
第3章
透視、透聴、予知、その他
313 無知故に人は透視、透聴、未来の出来事を予測する能力その他を神秘的な人知を越えた能力のせいにして来ました。私達はその予感がいつも変わることなく正しい人々を畏敬を持って眺めがちであり、この能力を何か神秘的な超感覚的な源泉に起因するものとして来ました。しかし、これらのいかなるものも用いることは、意識的であるか非意識的であるかに関わらず、それは単に各自に働く知覚或いは警戒の作用でしかないのです。この知覚作用は個人的な物事に関するばかりでなく、宇宙的な状況を包含することも可能なのです。

【解説】
 テレパシーは誰でも身に付けられる能力であり、そこには何らの神秘が無いというところが大切な点です。とかく私達は能力者を崇拝しがちですが、それは誰とも変わることのない人物であり、特別視することは良くありません。また、一方で、それら能力は訓練、学習の結果、身に付く訳で、その結果だけを追い求めてテレパシー学習を続けるのは本筋ではありません。生命の仕組み、宇宙との関連性の学習、自らの内省の過程でそのような生きもの本来の能力が育まれるからです。
 また、一方で急激な能力の開発も適当ではないように思います。本項のように予知、透視能力の場合、自らが鋭敏になって感受するものの中には、現実世界の中で苦悩する人々の放つイメージも多いように思います。それらに対して十分な包容力が育成されていない者は、それらに対処することが出来ず、逆に不必要な影響を受けるように思うからです。
 結局は私達自身の日頃の学習、鍛錬の成果として、これら能力が顕在化するのであれば、それは好ましいことであり、私達はそれら新しい能力も活用しつつ、日常生活を豊かなものにして行くことが出来るのです。

ジョージ・アダムスキー「テレパシー」 第3部第2章-段落312

312 Some of our scientists now tell us that telepathy is the language of the future. They say that when man has a better understanding of his mind, it will be the common means of communication. They recognize the importance of breaking the language barriers, for once the peoples of the world are able to exchange ideas freely, lasting peace will finally come to Earth. This concept can be expanded beyond the confines of our own planet. For if we were conversant with telepathy, it would not be necessary for the space visitors to learn our many languages. We could exchange ideas with ease with dwellers from other worlds by using telepathy, since mental impressions know no boundaries.
312 科学者の何人かはテレパシーは未来の言語であると述べています。彼らは人間が自らの心をより深く理解する時、意思疎通の共通した手段になるだろうと言っています。一旦、世界の人々がアイデアを自由に交換できるようになれば、地球に永続する平和が遂にもたらされるが故に、彼らは言語の壁を壊すことの大切さを理解しているのです。この概念は私達の惑星に限定されることなく更に拡がります。何故なら、もし私達がテレパシーに精通していれば、宇宙からの来訪者達にとって多くの言語を学ぶ必要がなくなるからです。私達はテレパシーを用いて他の世界からの住人達と気軽にアイデアを交換できることでしょう。心の印象類には境界がないからです。

【解説】
 第3部第2章(リラクゼーション、関心及び感受性)のまとめにあるのが本文です。テレパシー開発の意義については、単に「無言の会話術」という範囲に留まるものではなく、広く宇宙全体、あらゆる生きものと自由に意思疎通が出来、私達創造物が父である創造主を更に身近に感じられるような、より大きな意義を持っていることが分かります。
 その行き着く先は、山川草木皆同じ同胞として、共に同じ惑星に暮らすという、自然と調和した生活が待っているのです。
 私達はその為に自らの日常に心の活動内容やその持つ想念レベルをよく観察して、少しずつ本来のあるべき方向に矯正する努力が求められています。
 古来から様々な「教え」が伝えられ、多くの先人が努力の末に悟った結果、確信した知識がありますが、私の見る限り、悉くが同じ内容、同じ要点を伝えているように思えるのです。もちろん異なる時代、異なる言語による違いはありますが、大局的にはほぼ同じ内容が各々の先人によって見出され周囲に伝えられている訳です。
 このテレパシーについても同様に、その教えの内容は普遍的であり、今後もその意義は変わるものではありません。

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