2014年05月
088 Thinking deeply about all this, I asked myself, "Suppose I had sight so great that I could see television pictures without the aid of a television set. Suppose my hearing was so keen I could hear the beautiful music traveling through space from station to station without using a mechanical device. Would not my sight and hearing be developed into the fourth dimension?" I then turned my attention to the senses of taste and smell. Suppose I were able to taste the apple before it matured; or detect the fragrance of the flower before it blossomed; would I not have the senses of a superhuman.
088 これら全てのことを深く考えた後、私は以下の事柄を自分に問いかけました。「テレビの助けを借りずにテレビ映像を見ることが出来る程の大いなる視覚を持っていたとしたら。」「私の聴覚があまりに鋭敏なので機械装置を用いることなく放送局から放送局の間の空間を伝わる美しい音楽を聞くことが出来たとしたら。私の視覚や聴覚は四次元の中にまで発達出来ないであろうか?」次いで、私は自分の注意を味覚と嗅覚に転じました。私がりんごが未だ熟する前にそのリンゴの味を味わうことが出来たとしたら、或いは花が咲く前にその花の香りを嗅ぐことが出来たとしたら、私は超人の感覚を持つことになりはしないかと。
【解説】
実は私達の四感も発達させれば、本項のような従来の結果の領域に限られず、遠隔地や未来を把握出来るようになるということです。既存の感覚器官がどのようにしてそれを可能とするか、私には説明出来ませんが、印象を感受した後、その印象が持つ感覚的な要素に対し、既存の感覚が反応し、類似した感覚作用を発するのではないかと考えられます。
これらは未来予測や遠隔透視の際に受ける宇宙の因からの印象が、心によって具体化される際に表現される経路ということになります。具体的に言えば画家がカンバスに向かう際に目に浮かぶ画のイメージや作曲家にとって新しい旋律が頭に浮かぶ場合です。これらは全て宇宙の印象が具体的に結果の世界に表現される際に起こる現象ではないかと考えられます。
087 To use the violin as an example: we all know the four strings of a violin must be tuned with delicate precision before the musician is able to bring forth the subtile harmonies that this instrument is capable of producing. The pitch of each string must harmonize perfectly with the other three. The four senses of man may be compared with the four strings of the violin; for he must attune these senses to work together as a unit in order to fulfill his true purpose in life. And, just as the violin can be used to play baser music, yet it can, under a master's hand, produce melodies to thrill the souls of men so the sense perceptions, turning from effect to Cosmic Cause, will extricate themselves from the mire of self-delusion. They will in this way break old thought-patterns and habits which express automatically through the senses. Carnal mind, being innately lazy, accepts the opinions our senses have formed through their contacts and experiences, never bothering to search for the true Cause behind all effect.
087 例としてバイオリンを用いることを考えましょう。私達は皆、バイオリンの4弦は演奏家がこの楽器が創りだせる精妙なハーモニーを生み出す為には事前に細心の精度で調律されなければならないことを知っています。各々の弦の調律は他の3弦と完全に調和されていなければなりません。人間の4つの感覚はバイオリンの4弦になぞらえるでしょう。何故なら人は人生における自分の真の目的を成就する為にはこれら感覚を一体となって共に働くよう調律しなければならないからです。そして、バイオリンが低レベルな音楽に用いられることができると同様に、巨匠の手の元では人の魂を震わせる程のメロディーを作り出すように、感覚の知覚が結果から宇宙の因に転向すれば、諸感覚は自己欺まんの泥沼から自身を解放することでしょう。諸感覚はこのようにして感覚を通じて自動的に表わして来た古い想念パターンや習慣を打ち壊すことでしょう。生まれながらに怠惰である肉欲の心は、全ての結果の背後にある真の因を求めようと煩わされることなく、自分の感覚が接触したり経験したりしたことを通じて各感覚が作り上げた意見を受け入れるのです。
【解説】
以前にも述べましたが、バイオリンは人間に似た楽器であるという話を伺ったことがあります。四弦が私達の四つの感覚に相似しているということです。
しかし、ここで注目したいのは、著者はこの四つの弦(即ち私達の感覚)を決して取り去らなければならないような不要なものとして取り扱ってはいないことです。バイオリンの各弦のように互いに調和するよう弦を調律することの重要性を説き、調律後は素晴らしい音色を発すると賞賛しているのです。
私達の肉体にとって四感覚は大変重要な機能を託されており、それらを本来の姿に調律・訓練することで、これまで気付かなかった宇宙の真の姿の美しさに気付くことが出来るというのが重要なところです。
084 It is these four avenues that make up the mind of man today. They are the jailers holding him to the realm of the effective world; and until he can loosen their shackles by conquering them through self-control, man will remain a slave unto their whims. It is through our senses that we pass judgment on conditions, persons, nations; not understanding the oneness of all with Cosmic Cause.
084 今日の人間の心を作り上げているのはこれら四つの大通りです。それらは人間を結果の世界の領域に閉じ込めている看守であり、人が自制によってそれらを克服し、彼らの足かせを緩めるまでは、人は彼らの気まぐれの奴隷のままでい続けることでしょう。宇宙の因とともに全てとの一体を理解することなく、状況や人物、国家に対して裁きを下しているのは私達の感覚を通じてなのです。
【解説】
結局のところ、人々の離反はこれら感覚による裁き、批判によるものです。このテーマは友人や仲間同士の間の離反の大きな原因となっています。感覚を通じての物事や対象物の受け止め方は各人で異なる為、その解釈は各人で異なり、結局は他者とは一緒にやって行けなくなることになるのです。
しかし、少し冷静になって、自分の解釈を評価出来るようになると、対象との相違は消えて類似性が見えるようになるものです。全てを支える宇宙本来の因をその対象物に気付くことになる訳です。
私達は長年月、自らを支配させて来た既存の4感覚をひとまず脇に置いて、代わって自らのインスピレーションを鋭敏にして、これら感覚が伝える以外の要素に耳を傾け、目を凝らすことです。そうする中で、裁きは次第に相互理解への融和へと進化するものと思っています。
083 Now do you see why I say the senses war with one another? how uncoordinated they are and how they pass judgment on each other?
083 もう貴方は何故私が感覚達が互いに戦い、またそれらが如何に協調性に欠け、互いに裁きを下し合っていると言うのか、お分かりになるでしょう。
【解説】
これまで著者が何故に紙面を長々と割いて感覚同士の対立事例について述べて来たか、読者に分かりますかと問うています。
テレパシー能力の開発は実に私達の日頃の心の状態を制御・整頓する所から始めなければいけない訳で、そういう意味から各自の心の現実を知る為に、著者は極端な事例を挙げたものだと思います。
私達はこの例示を特殊な事例として日頃の学習環境から棚上げすることなく、私達の日常の中に如何に類似した状況が起こっているか、あるいは起こり易いかを調べる必要があります。
テレパシー能力を云々する前に、自らの感覚が日常的に各々どのような反応を示しているか、調査することが必要です。
075 Once I understood this, I knew that this force, born of Cosmic Intelligence, is the foundation of all life. Nothing need be added; all is present. But I, as a physical man, must recognize and begin to use this all-inclusive power. At this point, I took a closer look at my mind. To my surprise, I found it badly equipped and behaving like a tyrant ! I saw it was merely the spokesman for the sense reactions; not the Knower of Cause.
075 一度このことを理解するや、私には宇宙的英知から生まれたこの力が全ての生命の土台であることが分かりました。何も加えられる必要がなく、全てがそこに在るのです。しかし、肉体の人間としての私はこの全てを包括する力を認識し、応用し始めなければならないのです。この時点で、私は自らの心を注意深く見詰めました。その結果、驚いたことに、私は心がひどく身構えて暴君のように振る舞っていることに気付いたのです。私にはそれが因を知るものの代弁者ではなく、感覚反応の代弁者となっているに過ぎないことが分かりました。
【解説】
重要な点は、私達一人一人には全てのもの、即ち生きる為に必要な知識も資材もあらゆるものが既に備わっているということです。必要な知識は少し必要になれば直ちに与えられますし、真に必要なものは無尽蔵に与えられる体制にあるという訳です。
結局の所、満ち足りた環境に居る訳で、このことを理解すればあくせく働く必要はなく、穏やかで喜びに溢れた生活を送ることが出来ます。ここで唯一問題となるのが、私達自身の心の在り様なのです。私達の思考を指図する心は実は単なる感覚による裁きの代弁者になっており、本来の機能を果たしていないことが問題となっています。一人一人が時々刻々発する想念は実現力を有している訳で、粗い攻撃的な想念は自らの周囲に類似した状況を造り上げてしまいます。その甚大なる想念の力こそ私達は畏れる必要があり、自らを律する必要がある訳です。
他方、私達の進むべきは、この無言で一見掴みようもない力(force)を探究することです。既に他の生物は皆、この力を活用し切っている訳で、自然界における様々な生命活動こそ、その力の現れと観ることが出来ます。自然観察、自然鑑賞を通じて、本校で著者が言う宇宙英知を起源とする力を理解することが重要な所です。
073 We know all things in the manifested world are based upon four elements; earth, water, fire and air. From combinations of these four elements are brought forth the innumerable variations of form. But within each atom comprising these elements, is a force which is indestructible and inexplicable. It is a definite, yet elusive something, that evades the best efforts of the research workers; and even the most sincere cannot define its character or its source. It is this activating force which gives impetus to creation.
073 私達は創造された世界の中の万物は四つの要素に基づいていることを知っています。土、水、火そして空気です。これら四つの要素の組み合わせから無数の形有るものの変化がもたらされました。しかし、これらの要素を構成している個々の原子の内部には破壊されることのない、また説明できない、ある一つの力があるのです。それは確固としたものですが、どこか捕らえ所のないもので、研究者達の最高の努力もくぐり抜けてしまいます。また最も誠実な者もその特徴やその源泉を定義することは出来ません。創造作用に刺激を与えるのはこの活性化力なのです。
【解説】
本項は古来から宇宙の構成要素とされて来た物質の4態(即ち固体、液体、プラズマ及び気体)について述べると同時に、真の生命力について既存の科学では捉えにくいものが各原子の中に存在すると説いています。それはこれまで仏典その他で捉えようもない存在とされて来たものと同じものを指すものと思われます。
私達が目にする大自然の営みが実はこうした精妙なる力によって動かされているという訳です。しかし、私達はこれらの活動を単に人智の及ばない領域と放置して良いと言っている訳ではありません。フィーリングの感受能力を活用してそれらを理解し、真の生命力を自らのものとすべきなのです。
人体における構成要素が小宇宙のように整然と調和ある行動をとっていることは全く不思議です。その調和のタクトを誰が振っているのか、その指示の言語(印象)はどのようなものなのか、私達は自らの身体各部の働きを研究することで、それらを学んで行く必要があります。
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