014 Let us, therefore, get down to real analysis. Just what is the truth about truth? You have said that it is Reality and if I were to ask you to define reality you would be compelled to admit that it is that which has actual existence, and yet you speak of the real and the unreal. You have a set standard for Reality. Does not everything that is known have apparent existence? How else should it have become known?
014 ですから、真の分析に取り組みましょう。真理についての真実は何かということに対して、あなたは真理とは現実だと先に述べましたが、もし私が現実を定義するようにあなたに問えば、あなたはそれは実際に存在するものだと認めざるを得ないでしょう。そしてあなたは現実と非現実について話していることになります。あなたは現実性に対して固定化した基準を設けていることになります。しかし、これまで知られているもの全ては、明白に存在していないのでしょうか。そうでなければ、どうして知られるようになったのでしょうか。



【解説】
 日本語ではTruthを真理と訳出されています。しかし、原文のTruthの語感には”真実や事実、真相”という意味があり、その延長として”真理・原理”という意味が出ているのです。
 これら言葉の定義については、私達日本人には何故、そこまで厳密に区分するのか理解しがたい面もありますが、この点については欧米人の気質によるものも多いと思われます。いずれにしても私達が長年、追い求めて来た真理とはどういうものかについて、著者は私達一人一人にその理解内容を問うている訳です。
 もちろん私達は未知なるもの全てを奉っていてはなりませんし、神秘の中にうずもれさせてはならないのですが、全て白日の下に明らかにならない限り、真実とは言えないとする”合理主義”には限界があるということでしょう。私達は目に見えない叡智の存在にこそ気付くことが求められているのです。