10 FAITH
108 Faith is perhaps one of the most widely discussed topics in the world, yet it is the least understood. Teachers, ministers, psychologists, etc., all advise the development of faith and proclaim it as the basic quality of life but find difficulty in explaining this particular faculty.
第10章 信仰
108 信仰はおそらく世の中で最も広く議論された話題であり、また最も理解されていない話題でもあります。教師や聖職者、心理学者その他の人々は皆、信仰の発達を推奨し、それが生命の基本的な質であると宣言していますが、この特別な機能について説明することは難しいとしています。



【解説】
 以前にも述べたかと思います。"faith"という言葉の訳出については、これまで多くは「信念」と言葉を充てていました。もちろん特に異議を唱える者ではありませんが、日本語で「信念」と表現される中には、かたくなに自己の意見を押し通そうとする意志も含まれているように懸念した為、本項ではあえて「信仰」と訳出しています。「信頼」でも良いのかと思っています。
 さて、この"faith"ですが、これから学習を進める私達にとって大変重要な要素であると本文は説いています。しかし、同時にこれまで私達の多くが"faith"の真の意味を理解出来ていないとも諭しているのです。
 著者による"faith"についての解説は、次項以降も続きますが、私としては、"faith"(信仰)とは”因”への”信頼”であると考えています。目に見えない因の存在を知覚するには、印象・想念を知覚できなければなりません。印象・想念の源泉に信頼を置くことで、何らかのつながりやパイプのようなものが構築されるような気がします。つまり、信頼を置く者同士は想念・印象のやり取りがスムーズに行くということです。
 そういう意味で、因とのパイプが太くなれば、画期的な印象を容易に感受でき、人生に生かせるという訳です。