380 One must be very careful to avoid wishful thinking which the mind usually likes to promote. Or imagination which the mind likes to promote in its own favor. For the imagination does promote pictures as there are two phases of impressions. The imaginative mind likes to create freaks such as constructing a man's head with two faces. One in the back and one in the front, but nature does not construct a head like this. I mention this for the impressions and pictures that will come through consciousness will be closely related to imagination. And the mind is quite an expert at this for it has copied its action from consciousness. There must be something genuine before there can be a counterfeit and this is the case with the imagination, so one must be careful.
380 人は心がいつも促進しようとする願望的思考を避けるよう注意深くあらねばなりません。或いはまた心が自身への味方を増やそうとする空想についてもです。何故なら、空想は印象には二つの局面があるようなイメージを促進するからです。空想性を持つ心は顔が二つあるような人間の頭を作り出す等、倒錯物を造り出したがります。顔の一つが後側にもう一つが表側にあるようなものをです。しかし、自然はこのような頭を造り出しません。私はこのことを、意識から来る印象類や映像類は空想にとても近い関係にある為、述べているのです。そして、心は意識からその行動を写し取って来ている為、この点において全くの熟達者なのです。偽者が存在する以前に何か本物があるに違いありませんし、これが空想についての実状です。ですから注意深くあらねばならないのです。



【解説】
 私達が意識からの印象を知覚できた場合でも、喜んでばかりは居られないという訳です。
 実は、私達の感覚心は長年、意識から与えられる知識を自らの勢力拡大に利用して来ました。肉体が多少の困難があっても意識が良好な状態に復帰させていることを良いことに、好き放題の暮らしを行って来ました。絶えず意識からの情報を自分の地位の向上に利用して来たからです。
 ここで意識からの印象を感受する際にも、感覚心がそれに同調して勝手なイメージを似せて作ってしまい、本来のイメージがなかなか把握できなくなるという問題があると著者は警告しています。
 印象に対しては文字通り、「虚心坦懐」に対峙し、贈り主の意図を素直に受け入れる態度が肝要で、勝手な心の行動を監視することが重要です。予断や願望を排して、意識を信じて素直に受け止める他にとるべき姿勢はないと言えます。