311 A cosmic man is all inclusive, he does not go anywhere for he is everywhere. And your cosmic counterpart will take you on a journey through the household, from room to room, act to act, so that you may understand your inheritance and thereby become one with the whole.
311 宇宙的人間は全てを包含しています。彼は何処にも行くことはありません。何故なら彼は何処にもいるからです。そして貴方の中の宇宙側の相棒は貴方を部屋から部屋に、行動から行動へとその家庭の中を連れ歩くことでしょう。そのようにすることで貴方は自身が受け継いでいるものを理解し、それによって全体と一つになるのです。

【解説】
 少なくても、この教科を学ぶ中では次第に身の回りの世界、自分が認識する範囲が広がって行くことは間違い有りません。また、やって来る印象類からも表層からは判らない内部の状況や真の原因、更には近未来に起ること等をそっと教えられることも多くなる筈です。
 それもひとえに本文で言う各自の宇宙側の相棒(意識)からもたらされるものであり、心がその存在を認め、受け入れることから全てが始まります。その具体的状況はどのようなものか、私自身、未だはっきりした体験はありませんが、例えば「2001年宇宙の旅」(1968年)の最終段階にそれを象徴するシーンが数多く出ているように思います。ボーマン船長が宇宙船で木星に接近する際、強烈な光りの流れの中を通り過ぎますが、それは意識から来る印象類を表現しています。また、木星上では自分がやがて年老いて死を迎え、更に生まれ変わって地球に戻って来る光景で最後のシーンとなりますが、その際にも、部屋から部屋に移動する際、それぞれ年代の異なる自分を見るシーンがあり、本文の内容を関連しているように思います。
 ちなみにこの映画監督であるスタンリー・キューブリック(1928年ー1999年)という監督は、デスモンド・レスリーと交流があり、かつては同乗記をベースにした映画の制作を企画していたという記事を読んだことがあります。「博士の異常な愛情」(1964年)に出て来る映像の端々に、同乗記を想定した円卓の場面が出ているように思うのは私だけかも知れません。