209 These people are like a man lost in a heavily wooded forest where the congested growth hides the sun and the vision of heaven that could lead him in the right direction. The timbers could be likened to personal opinions that blocks the vision of light that could show the way. A person may even die in this state and never know the true purpose of life. We have people who have everything that the world has to offer, even security beyond their needs, but they are very unhappy within themselves. They have searched all of their lives for something they did not understand. They sought wealth and fame for security but after having this, the happiness they longed for was not there because they had never left the timber land of self opinions. And their values of life are out of line with the cosmos.
209 これらの人々は生い茂った木々の成長が正しい方向を示してくれる太陽と天の視界を隠しているうっそうと茂った森の中で道に迷った人間のようなものです。木々は道を示すことができる光の視覚を遮る個人的な意見に似ていると言えるでしょう。人によってはこの状況の中で亡くなり、人生の真実の目的を知ることはありません。私達はこの世が提供できるあらゆるもの、そして自分が必要とする以上の安全さえも手に入れ、それでも自分自身の内面ではとても不幸である人々を知っています。彼らは自分の生涯の全てを自分ではわからない何物かを求めて来ているのです。彼らは安心のために富や名声を追い求めて来ましたが、それを得た後は、願っていた幸せはそこには無かったのです。何故なら彼らは自己の意見という森林を離れることはなかったからです。そして彼らの人生の価値というものは、宇宙の方向からは外れています。


【解説】
 そもそも心に意識からの印象を受け入れる余地がなくてはなりません。元々、自己主張が強く、それなりに自分で頑張って世の中を渡って来た人達にとって、取りあえず順調に推移している間は、問題も顕在化しないのですが、ひとたび、状況が悪化すると己の限界を過度に考え込んでしまうことになるのではないでしょうか。
 個人的には本稿事例のような状況を明確にイメージすることが出来ませんが、そもそも他人の意見を喜んで受け入れる度量が無くては、エゴに支配される人間に早晩、陥ることでしょう。むしろ、それまでの自分を振り返り、不要なもの、未整理な状況を自ら明らかにして整理する作業が必要だと考えています。いわゆる心の「棚下ろし」作業です。自分の心の状況を左右している要素は何と何であるかを改めて整理すると、意外に悩みの本質的内容は小さいものであることが多いものです。心が勝手に騒いでいたという事例も私自身、数多く体験しています。