037 You see we are like a diamond in the rough. When man first found the substance that turned out to be a diamond, he saw a rock through his physical sense of sight but something inside of him told him that this rock was different from others. It was his consciousness and not his mind that alerted him to the fact that if he would cut and polish it, it would be the most beautiful thing that he had ever seen. Radiating every color conceivable. But this result would require patience and a lot of hard work, even pain at times when cut by the sharp edges. Every man is a diamond in the rough and there are many rough edges that must be removed before he can see the purity of himself.
037 私達は未加工のダイヤモンドのような物です。人が後でダイヤモンドと判明する物を最初に発見した時、人は自分の肉体の視覚を通じては一つの岩を見たに過ぎないのですが、自分の内部の何かが彼にこの岩はその他とは違うと知らせたのです。彼にもしそれをカットとして磨けばありとあらゆる色彩を放ち、これまで見たことのないような最も美しいものになるという事実を警告したのは彼の意識であり、彼の心ではありません。しかし、このような結果に至るには忍耐と努力、更には鋭い刃先でカットされる時の痛みさえ必要とされることでしょう。すべての人間は未加工のダイヤモンドであり、自分自身の純粋さを見い出す為にはそれ以前に多くの粗い角を取り除かなければなりません。


【解説】
 この節では私達自身をダイヤの原石に例えています。確かに私達人間は他の創造物に無い優れた要素を有しています。しかし、実際にはその本来の輝く部分は、もっぱら人間社会の塵垢に覆われています。事実、毎日の通勤の電車で見る人々の顔に、喜びを見い出すことはありません。電車の窓から夜明けの空に輝く太陽が昇る光景を見て、宇宙を感じる人も少ないようです。このように、この惑星における長年の社会システムの支配と各個人が背負っている環境その他の影響から、私達地球の人間は、その元来の輝きを蝕まれ、各自がようやっと生きている状態が続いています。
 この状況を打開するには、私達が私達自身の本質を知ろうと努力し、ある場合にはこれまでの自尊心を打ち砕き、自己(エゴ)を見つめ直して、不要な習慣を打破することが必要です。
 自身(原石)から不要なものを取り去って、本来の輝く美しい要素を現すには、それなりの苦痛が伴います。しかし、それを躊躇し尻込みしていては、何事も達成されません。
 ここで、自らの純粋さを現すために不要なものを取り去ることに関係して、ジェームズ・アレン(James Allen 1864-1912)が"As a Man Thinketh"の中で「進歩に必要な自己犠牲」について述べている部分を参考までに引用しましょう。(出典は"As a Man Thinketh"in "The Wisdom of James Allen Five Classic Works", Laurel Creek Press, San Diego, California 2004, p.27.)
"Men are anxious to improve their circumstances, but are unwilling to improve themselves; they therefore remain bound. The man who does not shrink from self-crucifixion can never fail to accomplish the object upon which his heart is set. This is as true of earthly as a of heavenly things. Even the man whose sole object is to acquire wealth must be prepared to make great personal sacrifices before he can accomplish his object; and how much more so he who would achieve a strong and well-poised life? "
"人は自分達の環境を改善しようとやっきになっていますが、自分達自身を改善しようとはしないものです。だから束縛されたままなのです。自己犠牲から尻込みしない者に自らの心が望む目的が達成できないことはありません。このことは地上でも、天上でも同じく真実なのです。富を獲得しようとすることが唯一の目的である人でさえ、その目的を達成できるためには、その前にいつでも大いなる個人的な犠牲を成すよう備えがなければなりません。それを考えても強く、落ち着いた生活を達成するには、それだけ多くの犠牲が必要と言えるのでは無いでしょうか。"
 人の進歩にとって、不必要なもの、不都合なものを自ら進んで取り除く(喜捨の)覚悟が必要だと言っているのです。