004 We, as his highest creation are intrusted with that responsibility. The study should be no different than a careful observation of a famous painting would be when the artist is not known in person. For the more that it is studied, the better one understands the mind responsible for the painting.
004 最高位の創造物である私達は、その責任を任されています。その研究は画家を個人的に知らない場合に著名な絵画を注意深く観察するのと違いはありません。研究が進むにつれて、人はその絵画を描いた本人の心をより深く理解することになるのです。

【解説】
 日頃、私達の周囲には何気ない存在であれ、様々な創造物が取り巻いています。しかしながら私達は日々の「仕事」に追われていて、多くの場合、その存在に気付くことさえ無いのではないでしょうか。自分が歩いている足下にどのような草花が咲いているか、あるいは咲こうとしているのか、歩道の石の裏にひっそりと暮らしている虫達の営みを知ろうなどとは思わないのが普通です。
 それよりは、会社での言い訳や交渉相手への説得方法等、毎朝の通勤でさえ、足下の自然など、確かに目には入っているのですが、その認識力は無く、むしろ心はその日一日の仕事のことで頭は一杯なのかも知れません。或いは、自分が好きな音楽を聞きながらの場合には、上空が如何に素晴らしく晴れ渡っているのに、何一つ気付く事無く行き過ぎてしまうのが我々です。
 そのような無神経な者に創造主は創造物を委ねているというのです。本当にもったいない話しです。本人は知らないのですが、本人自身は元来、最高位の創造物であるというのも、驚きです。もっと、私達は、自らの価値を自覚しなければならなりません。そして、宇宙に存在する創造物に対する本来の責任についてもっと自覚する必要があることになります。
 そのためには、まず、自らも含めた「創造物」を良く観察・研究する必要があるというのです。丁度、絵を観賞するように。もちろん、大自然や他の存在物でも研究対象は良いのです。しかし、それよりいつも身近にあって、直接観察できる存在、もっとも身近な「創造物」を対象にした方が良いことは明らかです。それは、言う間でも無く、自分自身ということができるでしょう。この創造物は、毎日、鏡で見ることができますし、何処に居ようと、常に本人と一緒です。その日の心の動き、身体の働きと心の関係、等々、様々な生きた研究材料が、自分自身である訳です。自分自身を良く知ることが、もっとも早道であると言えるかも知れません。
 自分自身の内面や外観を関係づけて、冷静に、かつ繊細に学ぶことが重要なのでしょう。そうする過程において創造主を知り、感謝することが最も大切な「学習」であり、「研究」なのです。何の為に哲学を学び、宗教の門を叩くか、その究極の回答が、この創造物を通じて創造主の心を知り、私達が賜った贈り物である人間の責任というものを理解することなのです。

【参考】
 上述の「画家の心を理解する」に関連した資料としては以下の書籍があります。
 * 田中 穣著「生きる 描く 愛する 42人の名画家物語」婦人之友社( 明治、大正、昭和の美術史にのこる42人の足跡。画家達の織りなす運命の物語と代表作を、一冊にまとめた保存版!画家の心の内と、名画の由来を後生に伝える語りべとして取り組み、7年にわたり『明日の友』に連載したシリーズ「心は億万長者」の集大成。)